[背景・ねらい]
沖縄県北部農業研究交流センターと九州沖縄農業研究センターは、平成13年~15年度にかけて沖縄対応特別研究(I期)を推進してきました。その研究の一部である、ニガウリ(方言名:ゴーヤー)の研究成果を沖縄県のゴーヤーの日(5月8日)に向けて紹介します。
[成果の内容・特徴]
- ゴーヤー果実の主な抗酸化成分は、還元型ビタミンCです(図1)。
- ゴーヤーのビタミンCとミネラル分は、綿にも多く含まれています(図2、図4)。
- 果実の生育段階別にビタミンCを調べると、若い段階ほどビタミンCが多く含まれています(図2)。
- 日射量の多い、夏場の強い日差しを十分に浴びた果実は、たくさんのビタミンCを含んでいます(図3)。
- 沖縄のジャーガル土壌はカルシウムを多く含んでいます。その土壌で育ったゴーヤーにはカルシウムが多く含まれています(図5)。 仕立て方法を斜め誘引にし、日光の当たりを良くすることで、1割程度ビタミンCが増加できます(図6)。
- 以上のことから、1.早めの収穫、2.斜め誘引、3.天気のよい日が続いた後に収穫をすることでビタミンCが高い果実を栽培・収穫できます。なお、栽培されている土壌、品種によっても、カルシウム、ビタミンC含量が異なります。
用語解説
抗酸化成分:
活性酸素・フリーラジカルによる酸化的障害を抑制する成分。生活習慣病の大半は、これら活性酸素等の過剰発生が原因とされています。
還元型ビタミンC:
アスコルビン酸のことです。還元型ビタミンCは、抗酸化物質として働きます。