プレスリリース
飼料用とうもろこしの作付け拡大に向けた新しい栽培技術パンフレット<2014年度版>を作成

情報公開日:2015年4月 8日 (水曜日)

ポイント

  • 飼料用とうもろこしの新しい栽培技術として、播種作業を省力化する簡易耕播種技術、湿害を軽減する耕うん同時畝立て播種技術、土壌養分活用型のカリ施肥管理技術、並びに新品種や安定栽培マップを活用した寒地における安定栽培技術等についての技術紹介パンフレットを作成し、HPで公開しました。

概要

  • 農研機構は、(地独)北海道立総合研究機構根釧農業試験場及び畜産試験場と連携協力し、飼料用とうもろこしの作付け拡大に有効な新しい栽培技術として簡易耕播種技術、耕うん同時畝立て播種技術、土壌養分活用型カリ施肥管理技術、並びに新品種や安定栽培マップを活用した寒地における安定栽培技術等を開発しました。
  • 飼料用とうもろこしの簡易耕播種技術として、従来、播種前に行われていたプラウによる反転耕を省略し、[1]ディスクハローによる土壌表面の撹拌後に不耕起播種機を用いて播種する方法や[2]縦軸型ハローと真空播種機を組み合わせて耕うん同時播種する方法により、乾物収量は慣行耕起播種と同等で、播種作業時間を5割以上削減可能な播種技術として体系化しました。
  • アップカットロータリと施肥播種機を組み合わせた耕うん同時畝立て播種技術は、飼料用とうもろこしの湿害軽減技術としても有効であり、圃場の地下水位が高く、過湿な条件ほど、湿害軽減効果が顕著となることを明らかにしました。また、飼料用とうもろこしの畝立て播種に適した施肥方法を開発しました。
  • 飼料用とうもろこしの新たなカリ減肥指針として、カリ施肥が不要と判定される交換性カリの基準値を従来値よりも大幅に引き下げつつ、低カリ肥沃度条件におけるカリ施肥量を10kg/10aとする施肥管理により、カリ施肥量を抑えて目標乾物収量1,800kg/10aを得られる土壌養分活用型カリ施肥管理技術を開発しました。
  • 電子版のパンフレット(PDF形式)は、農研機構畜産草地研究所の技術紹介パンフレット一覧(http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/index.html)からダウンロードして利用できます。
  • 冊子体のパンフレットについても農林水産省の各地方農政局、都道府県を通じて、地域の普及担当部署に配布する予定です。また、希望される場合は農研機構畜産草地研究所にFAX(0287-37-7132)でお申し込みください(部数に限りがあるため配布は先着順となります)。

予算:
農林水産省委託プロジェクト「自給飼料を基盤とした国産畜産物の高付加価値化技術の開発」(平成22~24年度)及び「国産農産物の革新的低コスト実現プロジェクト」国産飼料分科会(平成25~26年度)