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お米の新品種

いよいよ秋本番!実りの秋を迎え、新米が出回る季節となりました。そこで、今回は、農研機構が育成したお米の新品種について紹介します。

にこまる

まずはじめは「にこまる」です。近年の地球温暖化に対応し、高温年でも優れた品質を保つ品種として、九州沖縄農業研究センターが育成し、平成20年に品種登録されました。品種の名前は、笑顔がこぼれるほどおいしい品種であることと、丸々とした粒張りの良さから名付けられました。九州をはじめとする西日本の主力品種である「ヒノヒカリ」では、温暖化の影響で良質米の収穫が難しくなってきています。「にこまる」は「ヒノヒカリ」をしのぐおいしさと品質の良さ、安定した収穫量から、新たなブランド米として注目を集めています。また、長崎、大分、静岡、愛媛及び高知県で奨励品種として普及中です。

「にこまる」は「ヒノヒカリ」に比べて
外観品質が優れています。

あきだわら

つづいてご紹介するのは、「あきだわら」です。作物研究所で育成され、平成23年に品種登録されました。この品種の特長は、多収で食味にすぐれることです。「コシヒカリ」と比較して、標準施肥栽培では1割、多肥栽培では3割多収です。このため、レストランや弁当などの外食産業で利用される業務用米としての用途が期待されています。平成25年度は、福島、栃木、茨城、千葉、新潟、兵庫の6県で産地品種銘柄になっています。

この他、以下のような新品種も育成しており、用途に応じて様々な品種を開発しています。詳細は、農研機構パンフレット「品種2014」でも紹介しています。

「あきだわら」は、一穂籾数が多いため多収です。

「にこまる」と同様に登熟期の高温による品質低下が生じにくい、高品質の良食味品種です。「ヒノヒカリ」よりも約8%多収で、病害に強く、米飯の食味も「にこまる」や「ヒノヒカリ」と同様に良好です。近畿中国四国農業研究センターが育成し、今年度、品種登録出願したばかりですが、既に広島県で奨励品種に採用されるなど、今後の普及が期待されています。

 

はいごころ

通常の品種よりも胚が3倍ほど大きく、機能性成分のギャバ(GABA)が約3倍多く生成します。低アミロース性のため、胚芽米、発芽玄米としての食味に優れます。近畿中国四国農業研究センターで育成されました。

 

炊飯米の粘りが強すぎず、酢によくなじみ、なめらかで、ほぐれやすく、あっさりした食感を持つ、寿司米に最適の品種です。また、高温登熟条件下でも優れた玄米品質を示す、高温に強い品種です。中央農業総合研究センター(北陸)で育成されました。

 

大粒でリゾットへの調理適性があり、倒伏に強く栽培しやすい国産リゾット用米品種です。中央農業総合研究センター(北陸)で育成されました。

新米のおいしいこの季節に、いつもと違うお米の品種を試してみてはいかがでしょうか。