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牛乳にリパーゼを添加して人為的リポリシスを誘導することにより、牛乳分析用赤外分光分析器において牛乳脂肪含量の測定に用いる二波長での測定値(5.7μmでの測定値をFat
A、3.5μmでの測定値をFat Bと称する)のうち、Fat Aの値が著しく低下する(図1A)。 |
| 2. |
人為的リポリシスの誘導により、5.7μm近傍の吸光値が著しく低下する。牛乳分析用赤外分光分析器における各種成分の測定は、極めて狭い波長域で行っているため、このスペクトルで見られる5.7μm近傍の吸光値の低下によって、Fat
Aの変化の理由が説明できると考えられる。(図1B)。 |
| 3. |
人為的リポリシスを誘導した牛乳では、Fat B/Fat A値と遊離脂肪酸量はいずれも経時的に増加する(図2)。また、人為的リポリシスを誘導しない個体乳においてもFat
B/Fat A値と遊離脂肪酸量には正の相関が認められる(図3)。正常な牛乳では、遊離脂肪酸量はおおむね10
mg/L以下であるのが通常であるが、Fat B/Fat A値が1.05以上の個体乳についてはおおむね80%以上が10 mg/Lを上回っており、リポリシスの発生が疑われた。 |
| 4. |
以上の結果から、牛乳分析用赤外分光分析器を用いた、Fat B/Fat A値を指標とする牛乳リポリシスの簡易判定が可能であると考えられる。 |