日本産糸状菌類図鑑 No.36 before← →next ↑top 

Glomerella graminicola Politis [=Colletotrichum graminicola (Ces.) Wilson]
 分類:子のう菌門,核菌綱,クロカワキン目,クロカワキン科

 日本全国に分布。広くイネ科植物に炭疽(たんそ)病を引き起こすが,最近の知見ではC3植物とC4植物とでは寄生する炭疽病菌の種・系統が異なるとされる。葉表面に分生子層を作り,内部の分生子を飛散して蔓延する。有性世代は自然条件下ではほとんど観察されない。

性状(機能):植物病原菌    病徴JPEG(49kb)

形態:
 有性世代:
 無性世代:分生子層は剛毛を多数伴い,内部に無色〜淡黄色,鎌形〜紡錘形,両端に向かって漸尖し,大きさ23.5-29×3.5-5μ,単胞の分生子を形成する。付着器は褐色,周縁部は不整形,大きさ17.5-30×12.5-14μ。
剛毛を伴った
分生子層
分生子

農環研所蔵標本

標本番号 菌種 宿主和名 宿主学名 症状 採集地 採集年月日 採集者
108-1-91 Colletotrichum graminicola  ラフストークメド−グラス Poa? 炭疽病 栃木県西那須野町関東東山農試 1961.11.23 富永時任
261-2-1 〃  オーチャードグラス Dactylis glomerata 塩尻市 1962.8.10

(記述および図版提供者:月星隆雄,農環研,微生物分類研究室,2002)


本図鑑の著作権は農業環境技術研究所,農業環境インベントリーセンターに帰属します。