日本産糸状菌類図鑑 No.48 before← →next ↑top

Pseudocochliobolus verruculosus Tsuda & Ueyama [=Curvularia verruculosa Tandon & Bilgrami]
 分類:子のう菌門,小房子のう菌綱,クロイボタケ目,プレオスポラ科

 主に九州以南に分布。ローズグラスに褐点病を引き起こし,他のイネ科野草からも分離される。分生胞子を飛散して蔓延する。子のう胞子は自然条件下では観察されない。

性状(機能):植物病原菌    病徴JPEG(72kb)

形態:
 有性世代:培地上の対峙培養で形成。黒色の偽子のう殻を子座上に形成し,内部に長楕円形の子のう,無色,糸状,大きさ120-220×3.7-5μの子のう胞子をラセン状に巻いて形成する。
 無性世代:分生子柄は褐色。分生子は淡褐色〜褐色,湾曲,楕円形〜紡錘形,中間細胞は膨大,末端細胞は淡色,表面粗(疣状),へそ沈在,大きさ27-33×11-15μ,2-3偽隔壁をもつ。
分生子柄と分生子 分生子

農環研所蔵標本

標本番号 菌種 宿主和名 宿主学名 症状 採集地 採集年月日 採集者
135-1-37 Curvularia verruculosa ヒゲシバ属 Chloris sp.  褐点病 沖縄県石垣市玉取崎 2002.2.21 月星隆雄
135-1-38 ローズグラス Chloris gayana  〃白保 2003.2.20

(記述および図版提供者:月星隆雄,農環研,微生物分類研究室,2003)


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