日本産糸状菌類図鑑 No.25 before← →next ↑top

Cochliobolus sativus (Ito & Kurib.) Drechs. [Bipolaris sorokiniana (Sacc. ex Sorok.) Shoem.]
 分類:子のう菌門,小房子のう菌綱,クロイボタケ目,プレオスポラ科

日本全国に分布。寒地型イネ科牧草などに斑点病を引き起こし,被害が大きい。多数のイネ科野生植物からも分離される。分生胞子を飛散して蔓延する。子のう胞子は自然条件下では観察されない。

性状(機能):植物病原菌    病徴JPEG(46kb)

形態:
 有性世代:
培地上の対峙培養で形成。暗褐色の偽子のう殻中に円筒形の子のうを形成し,内部に無色,糸状〜鞭毛状,大きさ16-360×6-10μの子のう胞子をラセン状に巻いて形成する。
 無性世代:淡〜暗褐色の分生子柄上に,暗オリーブ褐色,紡錘形〜幅広の長楕円形,大きさ40-120×17-28μ,3-12偽隔壁をもつ真直あるいは湾曲した分生胞子を形成する。
分生胞子

農環研所蔵標本

標本番号 菌種 宿主和名 宿主学名 症状 採集地 採集年月日 採集者
108-1-102 Cochliobolus sativus  オーレンスブロムグラス Bromus sp. 斑点病 栃木県那須郡西那須野町 1961.8.6 富永時任
249-1-70 〃  マウンテンブロムグラス 栃木県那須郡西那須野町 1961.11.23

(記述および図版提供者:月星隆雄,農環研,微生物分類研究室,2002)


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