農業環境技術研究所法人情報法定公開情報情報公開

独立行政法人農業環境技術研究所 平成24年度計画

第1 業務運営の効率化に関する目標を達成するためとるべき措置

1.経費の削減

(1)一般管理費等の削減

(1) 運営費交付金を充当して行う事業については、業務の見直し及び効率化を進め、一般管理費(人件費を除く)については、毎年度平均で少なくとも対前年度比3%を抑制、業務経費については、毎年度平均で少なくとも対前年度比1%を抑制することを目標に、削減する。なお、一般管理費については、経費節減の余地がないかあらためて検証し、適切な見直しを行う。

(2) 給与水準については、引き続き、国家公務員に準拠した給与規定に基づき支給し、その状況を公表する。

また、今後進める独立行政法人制度の抜本見直しの一環として、独立行政法人農業環境技術研究所(以下「研究所」という。)の総人件費についても厳しく見直しを行う。

なお、役職員給与については、「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」(平成24年法律第2号)が成立したことを踏まえ、独立行政法人の役職員の給与について、「法人の業務や運営の在り方等その性格に鑑み法人の自律的・自主的な労使関係の中で、国家公務員の給与見直しの動向を見つつ、必要な措置を講ずるよう要請する」 との閣議決定の趣旨に沿って、必要な措置を講ずる。

(2)契約の見直し

(1) 「独立行政法人の契約状況の点検・見直しについて」(平成21年11月17日閣議決定)等を踏まえ、随意契約等見直し計画に基づき、競争性のない随意契約の見直しを実施するとともに、一般競争入札等においては、契約監視委員会等の提言に基づき一者応札・応募の改善等に取り組む。

(2) 経費削減の観点から、他の独立行政法人の取組事例等を参考にしつつ、複数年契約の活用や一括発注、単価契約の拡大など多様な契約方法の導入に取り組む。

(3) 「独立行政法人の事務事業見直しの基本方針」(平成22年12月7日閣議決定)に基づき、一定の関係を有する法人との契約については、当該法人への再就職及び取引等の情報を、ホームページ上で公表する。

(4) 「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」(平成24年1月20日閣議決定)に基づき、会費の支出の見直しを行うとともに、支出した場合には公表を行う。

2.評価・点検の実施と反映

(1) 平成24年3月の評価委員会での評価を踏まえ、平成23年度実績に係る自己評価を決定し、その結果を独立行政法人評価委員会(農業技術分科会)に提出する。独立行政法人評価委員会による評価結果については、自己評価結果と併せて反映方針を策定し、業務運営に反映させる。評価結果及びその反映状況等をホームページ等で公表する。また、業務の重点化及び透明性を確保するため、独立行政法人評価委員会の評価に先立ち、平成25年2月までに、外部評価委員による課題評価を実施するとともに、平成25年3月までに業務全般に関する所内メンバーによる自己評価及び外部専門家・有識者による評価を実施し、最終的な自己評価を決定する。研究課題の評価については、研究予算や研究エフォート等の研究資源の投入量、「知的財産権の数」、「論文の数」等の定量的指標及びこれらの分析結果を活用して実施する。その結果については、反映方針や具体的方法等を明確化し、翌年度の研究資源の配分等の業務運営に的確に反映させる。特に研究内容については、研究課題評価や行政部局の参画を得て開催する研究成果の検討等での検討結果をもとに、必要性や進捗状況等を踏まえて機動的に見直しを行う。これらの結果は翌年度の年度計画等に反映させる。

(2) 平成24年度の研究の推進については、リサーチプロジェクト(RP)ごとに設計検討会及び成績検討会で検討する。設計検討会では、平成24年度の研究内容について、工程表での位置付けを確認する。また、研究水準を海外の研究機関と比較するための国際的ベンチマークについて、新たな研究機関を対象に含めて分析を進める。

(3) これまでに公表した主な研究成果について、利用状況等のフォローアップ調査を実施し、さらなる普及に努める。

(4) 研究職員の業績評価に関しては、平成23年度の業績に係る評価を実施し、その結果を平成24年度の処遇(勤勉手当)に反映させるとともに、平成25年3月までに、平成24年度の業績に係る評価作業を開始する。研究管理職員の業績評価については、平成23年度と同様の方法で実施し、処遇に反映させる。一般職員及び技術専門職員の評価制度については、平成23年10月から実施した能力評価及び業績評価により平成24年度の処遇(昇給、勤勉手当)に反映させる。

3.研究資源の効率的利用及び充実・高度化

(1)研究資金

(1) 運営費交付金を活用し、中期目標に定められた研究を競争的環境の下で効率的・効果的に推進するため、研究所内を対象とした公募・採択による研究予算の配分を行うとともに、中期計画に定めた研究を効率的に推進するために、研究資金の重点的な配分を行う。

(2) 農林水産省、環境省、文部科学省等から受託しているプロジェクト研究や調査等を着実に実施する。また、研究所のミッションに即した新たな研究公募がある場合には積極的に応募する。各種外部資金の応募時期の周知や提案書類の書き方に関する説明会を実施し、競争的資金やその他の外部資金に積極的に応募する。

(2)研究施設・設備

研究施設・設備については、業務遂行に真に必要なものを計画的に整備するとともに、研究用別棟管理規程に基づいて管理し、別棟利用の集約化や共同利用を推進する。また、高額機器については、イントラネットやインターネットを活用して研究所内外に情報提供を行い利用率の向上に努める。隔離ほ場など利用計画のない期間における外部貸付けが可能な施設・設備等については、引き続きウェブサイトで情報を公開することなどにより有効活用を図る。

(3)組織

中期計画を推進するためRPについて柔軟な運営を図る。また、「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」(平成24年1月20日閣議決定)を踏まえ、他の農業関係研究開発独立行政法人との統合に向けた組織設計や運営の在り方について検討を進める。

(4)職員の資質向上と人材育成

(1) 平成23年度に改訂した人材育成プログラムに基づき、研究や指導・教育により計画的な人材育成を図る。

(2) 引き続き、若手研究職員及び農環研特別研究員を対象に所内表彰(農環研若手研究者奨励賞)を行う。研究職員のキャリアデザインの作成において、若手については研究管理職員が十分な指導を行う。特に学位未取得者に対しては取得を奨励する。また、国際研究集会及び国際機関への若手の派遣を積極的に行い、国際経験の蓄積を図る。

(3) 研究所のミッション遂行に必要な研究マネジメントに優れた研究管理者を育成するため、研究マネジメント等の研修に研究管理職員を参加させるとともに、必要に応じて、関係行政部局との人的交流に努める。

(4) 一般職員及び技術専門職員が高度な専門技術・知識を要する業務を行うために必要な資格取得や能力獲得を引き続き支援する。特に、向上意識のある自発的な者に対して外部研修関係への参加の支援を積極的に行うとともに、各種教育プログラムに参加させ、資格取得を支援する。

4.研究支援部門の効率化及び充実・高度化

(1) 研究支援業務については、研修等の共同実施、マニュアル等の共同作成など他の農業関係研究開発独立行政法人と共通性の高い業務を一体的に実施することにより合理化を図る。

また、「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」(平成24年1月20日閣議決定) を踏まえ、他の農業関係研究開発独立行政法人との統合に向けた組織設計や運営の在り方について検討を進める。

(2) 総務部門を含め、研究支援部門全体として、業務の見直しを行うとともに、情報システムの運用により情報の共有を促進し、事務処理の効率化を図る。また、所内グループウェア及び研究管理データベースシステムの活用により運営・管理業務の効率化を図る。

(3) 技術専門職の業務については、遺伝子組換え作物に関わる栽培試験、放射能関連調査、ビオトープ管理及び環境資源試料の採取、試料調製等高度な専門技術・知識を要する分野に重点化するとともに、減員及び業務の拡大に対応するため、専門員の活用及び専門技術を必要としない業務については契約職員(補助員)を活用することにより業務の効率化、充実・強化を図る。

(4) 研究本館・実験棟の施設・設備の運転保守管理業務等については、引き続き外部委託を行うとともに、業務内容や仕様書の見直しを実施し保守管理経費の削減を図る。また、精密機器類の保守管理についても、予算の効率的執行と精密機器類の利用状況を総合的に判断し、外部委託による保守契約等の内容の見直しを引き続き行い、保守管理費の削減を図る。その他の施設・設備、機械等の保守管理等についても、外部委託、人材派遣、契約職員の活用等により、研究支援部門の要員の合理化に努める。

(5) 農林水産省研究ネットワーク等のインターネットサービスシステムを活用して研究情報の収集・提供業務の効率化、充実・強化を引き続き図る。

5.産学官連携、協力の促進・強化

(1) 都道府県、大学、民間等の参画を求め、研究成果の円滑な普及と連携・協力の促進を図るための会議 (連携推進会議) を開催する。農業・林業・水産業の環境に関する研究所 (農業環境技術研究所・森林総合研究所・水産総合研究センター) の間で設立した 「三所連絡会」 を開催し、連携・協力を推進する。

(2) 他の農林水産省所管の独立行政法人とは、「農林水産省所管の農林水産業に関する試験研究を主たる業務とする独立行政法人間で実施する研究協力に関する協約書」に基づき、その役割分担に留意しながら、研究者の交流を含めた円滑な研究協力を推進する。特に、独立行政法人国際農林水産業研究センターが実施する国際共同研究に必要に応じて協力する。

(3) 農林水産省、環境省、文部科学省、経済産業省等の環境関係の研究機関で結成している「環境研究機関連絡会」及びその成果発表会である「第10回環境研究シンポジウム」に参加し、相互の連携・協力を推進する。都道府県の農業関係行政機関、公設試験研究機関と共催でセミナーを開催し、情報交換を行うことによって、現場ニーズの把握や研究成果の普及を行う。

(4) 東京大学大学院との連携講座、筑波大学及び東京農業大学との連携大学院に関する協力協定に基づく教授等の選任と大学院生の受入によって、教育・研究交流を発展させる。平成23年度に包括的協力協定を締結した茨城大学とは、国際シンポジウムの開催で協力するなど連携を図る。教育・研究に関する協定を結んでいる鯉渕学園農業栄養専門学校とは、研究員の派遣によって連携を推進する。研究連携の推進に関する協定を締結している豊橋技術科学大学とは、研究員の派遣と実務訓練生の受入により研究協力を推進する。

6.海外機関及び国際機関等との連携の促進・強化

(1) モンスーンアジア農業環境研究コンソーシアム (The Monsoon Asia Agro-Environmental Research Consortium、略称 MARCO) の参画研究機関と、研究者や情報の交換、共同研究の推進及びウェブサイトの充実により、参画機関との連携強化を図る。

(2) 農業分野からの温室効果ガスに関するグローバル・リサーチ・アライアンスにおける水田管理研究のコーディネート機関として、政府と連携して国際的な研究協力を推進する。

(3) 研究成果の国際的な利活用を図るために、MARCOの枠組みを活用し、モンスーンアジア諸国で共有する農業環境問題に関する国際シンポジウムを実施する。

(4) 研究事業に関する包括協定(MOU)を締結した韓国農村振興庁国立農業科学院、中国科学院土壌研究所などとの機関とは、研究者の交流、共同研究等により、研究協力を継続、発展させる。

第2 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置

1.試験及び研究並びに調査

(1)研究の重点的推進

別添」 に示した研究を重点的に推進する。なお、これらの研究の推進に当たっては、

(1) 環境問題をめぐる国際的動向等を踏まえ、関連する研究機関や国際機関との連携・協力の下、効率的に推進する。

(2) 他の農業関係研究開発独立行政法人との連携を一層強化し、各法人の有する研究資源を活用した共同研究等を効率的に推進する。

(3) 独立行政法人農業生物資源研究所がセンターバンクとして実施する農業生物資源ジーンバンク事業のサブバンクとして、センターバンクとの緊密な連携の下、遺伝資源の収集、保存、特性評価等を効率的に実施する。

(2)行政ニーズへの機動的対応

年度内に新たに生じた行政ニーズに機動的に対応し、必要な研究開発を着実に実施する。

2.行政部局との連携の強化

(1) 農林水産省大臣官房環境政策課、消費・安全局農産安全管理課、生産局農業環境対策課、農村振興局農村環境課等の関係行政部局との連絡会を開催し、情報交換を密に行い、問題意識の共有を図る。行政部局との連携状況については、25年3月までに、行政部局による点検を受け、その結果を平成25年度の運営や研究推進に反映させる。

(2) 放射性物質等緊急対応が求められている問題については、引き続き、行政部局との連携を緊密にして対応する。平成21年度に設置された全国レギュラトリーサイエンス連絡協議会にも積極的に参画し、情報共有及び意見交換を促進する。行政部局等からの要請に応じて委員会(国の要請、公共団体等の受託による。)へ専門家を派遣する。また、委託プロジェクト研究の推進に係るシンポジウム等を農林水産省と協働で開催する。

3.研究成果の公表、普及の促進

(1)国民との双方向コミュニケーションの確保

(1) 平成23年度に策定した広報戦略のもとで、情報の受け手を考慮した情報提供と、インターネット、マスメディア、広報誌、イベント、見学者の受け入れ等、多様な媒体・機会を活用した広報活動を実施する。

(2) 研究活動の内容や成果を分かりやすく説明し、国民との双方向コミュニケーションを確保するため、研究所一般公開、出前授業、サイエンスカフェを実施するとともに、各種の広報イベント等に出展する。また、インターネットを活用した国民との双方向コミュニケーションを強化する。

(2)成果の利活用の促進

(1) 行政部局を含む第三者の意見を踏まえ、施策推進上の活用が期待される成果(主要研究成果)を2件以上選定する。

(2) 「主要研究成果」を含む主な研究成果を「研究成果情報」として刊行し、全文をウェブサイトに公開するとともに、独立行政法人や公設試験研究機関、民間との共同研究を推進することにより、研究成果の現場への迅速な普及や特許の実施許諾、実用化に努める。これまでに公表した「普及に移しうる成果」については、平成23年度に引き続き、利用状況等のフォローアップ調査を行い、さらなる普及に努める。

(3) 過去の研究成果を含めて、農業環境研究の推進や農業環境への理解に有用なデータベース、マニュアル等をウェブサイトに公開し、専門家及び国民への積極的な情報提供に努める。

(4) 他法人や大学、民間等とは、共同研究契約を締結して、共同研究を積極的に推進する。特に民間とは資金提供型共同研究制度を活用する。

(3)成果の公表と広報

(1) 研究成果は、国内外の学会、シンポジウム等で積極的に発表するとともに162報以上の査読論文を発表する。また、論文の量と併せて質の向上を図り、全発表論文のインパクトファクター総合計値180以上となるよう、国際的に注目度の高い学術雑誌等に積極的に発表する。

(2) 研究成果の普及・利活用を推進するため、「有機化学物質研究会(第12回)」、「土・水研究会(第30回)」、「農業環境インベントリー研究会(第3回)」等を開催する。また、農林水産省が主催する「アグリビジネス創出フェア」等の展示イベントに積極的に参加し、産学官民に対して研究成果の普及に努める。研究会、シンポジウム等の開催、イベント等への参加について、ウェブサイトで報告するとともに、研究成果を分かりやすく伝えるポスター、図表等を掲載する。

(3) 国民の関心が高いと思われる研究成果について、適時に分かりやすくプレスリリースするとともに、広報誌「農環研ニュース」、ウェブマガジン「農業と環境」及び「研究所年報」の公開、農業環境インベントリー展示館や各種イベント等、多様な手段を活用して研究成果を広報する。研究成果について6件以上のプレスリリースを行う。

(4) 農業環境問題に関する国際シンポジウムを開催するとともに、MARCOのサイト等を中心に、インターネットを活用した情報発信を行う。研究所ウェブサイトでNIAES Annual Report 2012(英語版研究所年報)を公開する。

(4)知的財産権等の取得と利活用の促進

(1) 研究成果の権利化や許諾等の取扱いに関する講習会を必要に応じて開催し、研究員の意識を高める。

(2) 研究成果について戦略的に権利化を進め、年度内に5件以上の国内特許を出願する。保有特許については、実施許諾状況と費用対効果を踏まえながら、保有の必要性を随時、検討する。

(3) フェアやセミナー等の各種イベントの開催や参加、プレスリリースやウェブサイトによる広報など、特許権等に係る情報の外部への積極的な提供等の技術移転に必要な取組を強化することで、実施許諾件数を6件以上とする。

(4) 農林水産研究知的財産戦略(平成19年3月農林水産技術会議決定)等を踏まえ、必要に応じて知的財産方針を見直す。

4.専門分野を活かしたその他の社会貢献

(1)分析、鑑定

行政、各種団体、大学等の依頼に応じ、研究所の高い専門知識が必要とされ、他の機関では実施が困難な化学物質の分析、昆虫や微生物等の鑑定、標本の貸し出し等を実施するとともに、農業環境に係る様々な技術相談に対応する。その際、必要に応じて、所要の対価を徴収する。

(2)講習、研修等の開催

(1) 国や団体等が主催する研修へ研究職員を講師として派遣する。また、研究所で土壌調査法に関する研修会等を開催する。その際、受講者等へのアンケート調査等を実施し、研修内容等の改善を図る。

(2) 研究成果の普及による農業環境技術の向上に貢献するため、依頼研究員、技術講習等の制度により、国内外の機関からの研修生を積極的に受け入れる。学生を対象としたインターン制度を活用して、職業体験教育を実施し、農業環境研究の理解を促進する。

(3)国際機関、学会等への協力

IPCC等の国際機関が主催する農業環境研究に関係する会議に、職員を積極的に参加させ、その運営に協力するとともに、情報の発信と収集を図る。

第3 予算(人件費の見積りを含む。)、収支計画及び資金計画

1.予算

平成24年度予算

(単位:百万円)

区分 金額
収入
  • 運営費交付金
  • 施設整備費補助金
  • 受託収入
  • 諸収入
  •  
 
  • 2,845
  • 430
  • 711
  •  
  • 3,988
支出
  • 業務経費
  • 施設整備費
  • 受託経費
    • 試験研究費
    • 管理諸費
  • 一般管理費
  • 人件費
  •  
 
  • 769
  • 430
  • 711
    • 640
    • 71
  • 320
  • 1,757
  •  
  • 3,988

[注記]

1.施設整備費補助金については、平成24年度に繰越となった平成23年度第3次補正予算による施設整備費補助金予算及び平成24年度施設整備費補助金予算を計上した。

2.百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。

2.収支計画

平成24年度収支計画

(単位:百万円)

区分 金額
費用の部
  • 経常費用
    • 人件費
    • 業務経費
    • 受託経費
    • 一般管理費
    • 減価償却費
  • 財務費用
  • 臨時損失
3,728
  • 3,728
    • 1,757
    • 719
    • 700
    • 320
    • 231
収益の部
  • 運営費交付金収益
  • 諸収入
  • 受託収入
  • 資産見返負債戻入
  • 臨時利益
  •  
純利益
前中期目標期間繰越積立金取崩額
総利益
3,662
  • 2,795
  • 711
  • 154
  •  
  • △66
  • 72

[注記]

1.前中期目標期間繰越積立金取崩額は、前中期目標期間において自己財源で取得した固定資産の減価償却費が費用計上されることに伴う前中期目標期間繰越積立金の取り崩し額。

2.百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。

3.資金計画

平成24年度資金計画

(単位:百万円)

区分 金額
資金支出
  • 業務活動による支出
  • 投資活動による支出
  • 財務活動による支出
  • 次年度への繰越金
3,988
  • 3,497
  • 492
資金収入
  • 業務活動による収入
    • 運営費交付金による収入
    • 受託収入
    • その他の収入
  • 投資活動による収入
    • 施設整備費補助金による収入
    • その他の収入
  • 財務活動による収入
    • その他の収入
3,988
  • 3,558
    • 2,845
    • 711
  • 430
    • 430

[注記]

1.百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。

4.自己収入の確保

特許実施許諾を促進するとともに、依頼分析・依頼鑑定、依頼研究員受入についてコストに見合う費用を徴収することなどにより自己収入の確保に努める。なお、受益者負担については、適宜見直しを行い適正な水準に設定する。隔離ほ場について、研究所での利用予定がない期間には外部に貸し出し、対価を徴収する。

5.保有資産の処分

既存の施設・設備等の利用計画や状況を精査し、利用率の改善が見込まれないなど不要と判断されるものは、減損措置や処分を行う。

第4 その他農林水産省令で定める業務運営に関する事項等

1.施設及び設備に関する計画

老朽化対策のため、設置後30年余りを経過する第1、第3機械棟の受変電設備の改修及びRI施設改修ほか工事を行う。また、研究基盤となる設備の不具合等の指摘箇所について、対応計画を策定し改修等を実施する。

2.人事に関する計画

(1) 人員計画

(1) 方針

効果的・効率的な業務の推進が図れるように、適切な職員の配置を行う。また、研究分野の重点化や研究課題を着実に推進するために、RPについて柔軟な運営を図る。

(2) 人員に係る指標

常勤職員数は、期初職員相当数を上回らないものとする。

(2) 人材の確保

(1) 若手研究職員の採用に当たっては、引き続き原則として任期付雇用とテニュアトラック制を活用する。

(2) 研究職員における全採用者に占める女性の割合については、前期実績を上回るよう、女性研究者を採用するとともに、積極的に活用を図る。また、女性研究者のキャリア形成・研究力向上の支援、出産・育児等との両立支援等の取組を推進し、またその取組を発信することにより、女性応募者数の拡大を図る。

(3) 次世代育成支援行動計画に基づき、仕事と子育てを両立しやすい雇用環境の整備を図る。

(4) 研究リーダーの採用については、研究所内外から広く優れた人材を確保するため、公募方式を積極的に活用する。

3.法令遵守など内部統制の充実・強化

(1) 研究所に対する国民の信頼を確保するため、業務に関わる法令や研究及び研究員の不正防止に関するガイドライン等について研修・教育の実施等により、法令遵守や倫理保持を徹底する。また、利益相反について、研究所の利益相反マネジメント基本方針及び利益相反マネジメント実施規程に基づき、その把握、未然防止、是正等に努める。

(2) 規制物質をはじめとする化学物質の管理については、化学薬品等管理規程の遵守、薬品管理システムの適確な運用等により管理の徹底を図る。また、職員への教育の徹底等により、放射性同位元素、遺伝子組換え生物、輸入禁止品等の法令に基づく適正な管理を行う。

(3) 研究所のミッションを有効かつ効率的に果たすため、理事長のトップマネージメントが的確に発揮できるよう内部統制の更なる充実・強化を図る。

(4) 研究所の諸活動について社会への説明責任を果たすため、情報提供を行うととともに、情報の開示請求があったものに対しては適正かつ迅速な対応を行う。また、個人の権利、利益を保護するため、関係法令の周知を図り、個人情報の適正な取扱いを一層推進する。

(5) 情報セキュリティについて、研修・教育の実施等によりセキュリティポリシーの遵守を徹底する。所内ネットワークへの不正接続等を防止するためネットワーク管理の充実を図る。

4.環境対策・安全管理の推進

(1) 中期目標期間における研究所独自の環境マスタープランに基づいて、エネルギー使用の合理化、CO削減を視野に入れた施設の整備や維持管理に取り組む。また、これらの措置状況については環境報告書により公表する。

(2) 事故及び災害を未然に防止するため、巡視、点検、管理及び施設整備等の取組を一層推進する。職員及び研究業務に従事する外部の者が研究所の安全衛生に関する責任と意識を持って業務を遂行するため、消防訓練、救命講習会等を開催し、防災意識向上、安全管理に必要な教育・訓練等を行うことにより、事故や災害の未然防止を図る。また、研究所の安全衛生委員会の委員及び産業医等による職場巡視を行い、問題点等について改善を指示するとともに、措置が確実に実施されことを確認するためのフォローアップを行う。さらに、「共用施設・機器等の利用、安全衛生各種事務手続きマニュアル」に基づく点検・見直しの充実を図る。

5.積立金の処分に関する事項

前期中期目標期間繰越積立金は、前期中期目標期間中に自己収入財源で取得し、当期 中期目標期間へ繰り越した有形固定資産の減価償却に要する費用等に充当する。

[別添] 試験及び研究並びに調査に係る研究の推進方向

1.地球規模環境変動と農業活動の相互作用に関する研究

(1)農耕地における総合的な温暖化緩和策の定量評価

土壌炭素量変化の全国推定に不確実性評価の導入を開始する。また、メタン発生量の品種間差を予測できるよう DNDC-Rice モデルを改良するとともに、広域推定の不確実性を評価する。さらに、一酸化二窒素発生を予測する統計モデルを構築するとともに、広域評価を試行する。プロセス解明に基づき、ダイズ根粒菌接種や石灰窒素による一酸化二窒素削減効果を定量評価する。有機物と窒素肥料の農地への投入量について、複数の推定手法を比較する。モンスーンアジアの水田を類型化し、可能な緩和オプションの種類を整理する。

(2)地球規模環境変動に対する作物応答メカニズムの解明及び影響予測

イネの高CO応答に関しては、FACE 実験等を用いて、高CO濃度条件におけるシンク形成の品種間差異を、炭素・窒素蓄積過程から明らかにする。高温不稔については、リスク評価で必要な開花日の圃場内分布について、品種間・年次間変動を明らかにする。さらに、土壌要因も含めた影響評価で必要な大気−作物−土壌系の物質循環を扱う数値モデルについては、圃場レベルでの窒素循環過程の検証を行う。

日本を対象として、コメ以外の作物の生産性環境応答モデルの作成を行うとともに、主要品種特性の差異を考慮したコメ生産性モデルを用いて、複数の気候変化シナリオによる影響評価と適応策の有効性評価を行う。地域気候変化シナリオの作成とその不確実性評価を行うために、境界条件となる全球気候モデルの精度評価を行う。時空間的ダウンスケールの高度化のために、土地利用データ収集を行うとともに作物生産変動と大気、海洋、土壌環境指標との統計解析を行う。世界における作物生産性の現況を精度良く推計するために、入力となる過去の全球再解析気象データを観測値と比較して補正するとともに、過去の気候変動、土・水資源変動及び生産性との関係を解析する。作物の生産性に及ぼす地力の評価を行うために生産性モデルに窒素・炭素動態を組み込む。

2.農業生態系における生物多様性の変動機構及び生態機能の解明に関する研究

(1)農業生態系における生物多様性の変動メカニズムの解明と適正管理技術の開発

農業活動の変化に対する生物群集の応答反応を解明するため、長期耕作放棄畑における主要植物の個体群動態をモデル化するとともに、環境保全型農業の指標生物の一つであるクモ類について、農法及び周辺環境から受ける影響を解析する。また、景観構造と植物群落の多様性との関係を階層的に解析するとともに、土壌小動物相と農法や環境条件との関係を調査する。さらに、生物多様性の広域評価手法を開発するため、調査情報システムに集積された生物多様性観測情報を用い、農業生態系との結びつきが強い複数の代表種群を取り上げ、農業生態系の変化との関係を広域的に解析する。

GM作物の個体群存続可能性評価法の開発や、近縁野生種のバイオロジードキュメントの作成を継続する。GM作物の適正管理法を開発するために、自然交雑率の変動要因の解析、開花重複度や混入率調査のモデル化、交雑率推定指標の高度化を図る。外来緑化植物の防除コストを評価し管理優先度評価法を開発する。非アロフェン質黒ボク土壌における外来植物の分布特性を明らかにする。外来生物データの精度向上を図り、我が国における外来生物の潜在的分布域推定法を開発する。

(2) 環境調和型・持続的農業に役立つ生物・生態機能の解明

アレロケミカルの機能解析研究では、除草剤のリード化合物候補として選抜したシスケイ皮酸の作用機構を解明するため、顕著な活性を示すシスケイ皮酸誘導体数種がシロイヌナズナ遺伝子群の発現に及ぼす影響を解析し、シスケイ皮酸との差異を明らかにする。昆虫が関わる情報化学物質を用いた基礎技術の開発では、23年度構築した実験系を用いて、コナガサムライコマユバチ等の生物間相互作用を解析するとともに、情報化学物質の分析条件等を最適化する。生分解性プラスチック(生プラ)製農業資材の分解制御技術では、生プラ分解菌や酵素の基質特異性と、生プラ固体表面を分解する仕組みを明らかにする。土壌生物性評価技術の開発と土壌微生物代謝の解明のために、土壌で一酸化二窒素を生成する硝化菌の多様性を硝化初発酵素遺伝子 (amoA)のメタゲノム解析により明らかにする。

3.農業生態系における化学物質の動態とリスク低減に関する研究

(1)有害化学物質による農作物汚染リスクの低減技術の高度化

汚染リスク予測技術では、ダイズ子実のカドミウム濃度を予測可能な土壌抽出法を選抜する。過去の使用状況、各種土壌特性、栽培条件、気象条件等の要因に基づくキュウリ果実ディルドリン濃度の予測手法を開発する。土壌浄化技術の開発では、植物浄化を実施したディルドリン及びカドミウム汚染圃場において慣行作物を栽培し、浄化効果を検証する。難脱粒性を付与した植物浄化に用いる稲の生産力検定を継続するとともに、耐倒伏性、高バイオマス、高Cd収奪性等を示す新規高機能稲系統を選抜する。2種類の微生物で構築した複合分解系を利用した HCH 分解技術を開発する。洗浄浄化効果の持続性を確認し、転換畑に適用可能な化学洗浄マニュアルを作成する。吸収抑制では、ポット試験でヒ素吸収抑制資材の効果判定を行うとともに、稲低カドミウム変異体の遺伝子単離と機能解析を行う。

(2)化学物質の環境動態予測技術と生態系影響評価手法の開発

農薬については、GIS 結合型 PADDY-Large モデルを用いて、複数の河川流域を対象に水稲用農薬の濃度予測とモデル有効性の検証を行う。また、水生昆虫の個体群レベルでの影響評価のため、成長段階別の毒性試験法を開発する。栄養塩類については、各地の農地土壌における水・炭素・窒素・リン動態の実測値とモデル予測値を比較・検証し、LEACHM モデルの改良とパラメタリゼーションを進める。また、農家アンケートに基づくボトムアップ式の広域リン活動量を、農家種別等を考慮して整理し、行政統計データに基づくトップダウン式の値と比較・検証する。

4.農業環境インベントリーの高度化

(1)農業空間情報とガスフラックスモニタリングによる環境動態の監視・予測

土地利用、作物群落、土壌等の主要な特性・形質を対象に、ハイパースペクトルデータ、新規 SAR 衛星データ、異種衛星データ等の処理・解析手法ならびに評価アルゴリズムを考案・検証する。リモートセンシングデータと微気象データを統合的に用いる動的評価手法の検証・改良を行う。また、CO等ガスフラックスデータの比較分析、基礎的関係の定量化を進め、生態系フラックス構成要素の広域的・動的評価に向けたモデル化を図る。生態系動態の監視・予測システムのネットワーク化と機能の拡充を進める。

(2)農業環境情報の整備と統合データベースの構築

包括土壌分類第一次試案を用いて、関東地方及び東北地方全域 (H23年度作成済みの茨城県を除く) の土壌図を試作する。各分野のデータベースの拡充を図る。農業環境中の放射性物質について、モニタリングにより経時的推移を把握する。各種データベースの横断利用化を促進し、それらのデータベースを客観的に評価できる指標の検討とメタデータフォーマットのプロトタイプを確立する。エコバランス研究については、数種類のインベントリ分析に適用可能な農地管理・栽培管理シナリオを策定するため、我が国で行われている管理手法に関する情報収集を行う。