2月17日 (日曜日)、神戸コンベンションセンター(神戸国際会議場)において、公開セミナー: 外来植物のリスクを調べて蔓延を防止する (第9回)―最終報告と今後の展望― を開催します。
開催趣旨:
農業環境技術研究所では、科学技術振興調整費重要課題解決型研究プロジェクト 「外来植物のリスク評価と蔓延防止策 」 を、平成17年度から実施してきました。この公開セミナーは、2008年3月でこのプロジェクトが終了するため、その最後のアウトリーチ活動として、これまでの研究の成果をとりまとめて発表するものです。
この研究は、外来生物による被害を防止するために平成17年10月に施行された 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律 (略称:外来生物法) にかかわるものです。この法律は、日本固有の動植物の生存、人間の健康、農業生産に脅威 (きょうい) となる外来の動植物を対象として、それらの取り扱いを規制するものです。「特定外来生物」に指定された生物は、飼育や栽培がきびしく規制され駆除の対象となります。本研究では、規制すべき外来植物のリスクを調べ、すでに蔓延している外来植物については、その防除の研究を行いました。その成果は一般に公開するとともに、環境省や農林水産省の担当部局へ、(1) 外来植物のリスクを評価する方法、(2) 規制すべき外来植物種、(3) 被害の大きい外来植物の効率的で安全な防除法などを提案します。
第9回の公開セミナーは、その最終回にあたって、日本有数の貿易港である神戸港をひかえた神戸市で開催します。第一部では、関西地域における外来植物問題について、地元の研究者に問題点を紹介していただきます。第二部では、プロジェクト研究の成果を、3人のサブリーダーがわかりやすく説明します。最後に、研究全体をとりまとめ、残された問題について討議したいと考えています。
環境問題や緑化・農業に関係される方ばかりでなく、ガーデニングや山歩きを楽しんだり、自然保護に関心のある方々、学生さんなど、多くの参加者の皆様と、外来植物の功罪について活発な意見交換を行いたいと思います。
入場は無料、事前の参加登録も不要ですので、お気軽にご参加ください。
日時: 平成20年2月17日 (日曜日) 10:25〜17:00
場所: 神戸コンベンションセンター 神戸国際会議場 5階501
(神戸市中央区港島中町6-9-1) 交通案内 (http://kobe-cc.jp/access/index.html)
(JR三ノ宮駅からポートライナー約10分:市民広場駅下車、神戸空港からポートライナー約8分:市民広場駅下車)
主催: 独立行政法人 農業環境技術研究所 (http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/)
参加費: 無料
プログラム
10:25-10:30 開会あいさつ
藤井義晴 (研究代表者)
パート1 関西地域における外来植物問題
座長: 藤井義晴 (農業環境技術研究所)
10:30-11:00 1)神戸周辺における帰化植物の実態
水田光雄 (兵庫県植物誌研究会)
11:00-11:30 2)寄生植物の生態と防除〜その脅威と防除について〜
杉本幸裕 (神戸大学農学部)
11:30-12:00 3)水草を中心とした関西の問題侵入植物
伊藤一幸 (神戸大学農学部)
12:00-13:15 昼食
パート2 プロジェクトの成果の最終報告
座長: 池田浩明 (農業環境技術研究所)
13:15-13:55 4)現在、日本にはどのような外来植物が蔓延し、これから何が問題となるか
山本勝利(農業環境技術研究所)
13:55-14:35 5)外来植物のリスクをどのように評価するか〜総合的リスク管理に向けて〜
黒川俊二(畜産草地研究所)
14:35-15:15 6)蔓延してしまった外来植物をどのように防除すればよいか
村岡哲郎(日本植物調節剤研究協会研究所)
15:15-15:30 休憩
パート3 研究のとりまとめと総合討論
座長: 平舘俊太郎 (農業環境技術研究所)
15:30-16:00 7)研究全体のまとめ、重要な成果と残された問題
藤井義晴 (農業環境技術研究所)
16:00-16:30 8)研究全体へのコメント(外来植物研究の課題と展望)
角野康郎 (神戸大学理学部)
16:30-16:55 9)総合討論〜外来植物とどうつきあうか〜
16:55-17:00 主催者あいさつ
上路雅子 (農業環境技術研究所理事)
来聴大歓迎:
一般の方、植物愛好家、農家、小中高校生、大学生、そのほかどなたでもお気軽にご参加ください。 (入場無料)