独立行政法人農業環境技術研究所は、2月9日、つくば国際会議場において、第26回気象環境研究会 「気候変動環境下における広域スケールの食料生産変動予測にむけて」 を開催しました。
気象環境研究会は当研究所の大気環境研究領域が中心となって、定期的に開催してきた研究会であり、今回は2009年2月以来、3年ぶりの開催となりました。当日は、研究会のテーマに関連する各分野の専門家による6題の講演に引き続き、4名のコメンテーターを交えて、気候予測情報の不確実性や作物の環境応答の広域モデル化手法について総合討論を行いました。
講演の内容や質疑応答から、季節予報から数十年後の将来予測に至るさまざまな時間スケールで、広域スケールの食料変動予測に対する社会的な要請が高いことがうかがえました。また、総合討論の内容からは、ボトムアップ的なアプローチによる作物の環境応答の広域モデル化の研究は緒についたばかりであり、ほ場スケールでの研究に加えて、気候変動予測や温暖化適応策、土地利用変化・食料需給予測など、幅広い研究分野との連携が必要なことが確認されました。
今回は研究会の開催場所を変更し、さらにテーマに関連の深い日本作物学会と日本農業気象学会という2つの学会の御後援をいただいたことにより、幅広い分野から97名の方々にご参加いただき、当所の研究活動の一端を紹介することができました。研究会の開催に際しご協力いただきました皆様に感謝いたします。
開催日時: 2012年2月9日(木曜日) 13:00−18:00
開催場所: つくば国際会議場 (茨城県つくば市)
主催: (独)農業環境技術研究所
後援: 日本作物学会、 日本農業気象学会
当日配布資料の表紙
(研究会資料のPDFファイルを後日公開予定です)
プログラム
開会あいさつ
宮下 清貴 ((独)農業環境技術研究所 理事長)
気候変動が食料生産に及ぼす大域的影響
横沢 正幸 ((独)農業環境技術研究所)
季節的気候予測情報とその農業応用
佐久間弘文 ((独)海洋研究開発機構)
気候変動の農業影響評価と適応策
金丸 秀樹 (国際連合食糧農業機関)
広域スケールにおける主要作物の生産性環境応答のモデル化
飯泉仁之直 ((独)農業環境技術研究所)
気候変化予測と連携する土地利用シナリオの構築
山形与志樹 ((独)国立環境研究所)
気候変動が世界の食料需給に及ぼす影響の評価
古家 淳 ((独)国際農林水産業研究センター)
総合討論
コメンテーター
齊藤 邦行 (日本作物学会、岡山大学)
菅野 洋光 (日本農業気象学会、(独)農研機構 東北農業研究センター)
中川 博視 ((独)農研機構 中央農業総合研究センター)
大塚美智也 (農林水産省大臣官房 食料安全保障課)
閉会あいさつ
八木 一行 ((独)農業環境技術研究所 研究コーディネータ)