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農業と環境 No.144 (2012年4月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

第2回 農業環境インベントリー研究会 「昆虫インベントリーの整備と有効利用のためのシステム」 が開催された

独立行政法人農業環境技術研究所は、さる2月23日の午後、つくば国際会議場において、第2回 農業環境インベントリー研究会 「昆虫インベントリーの整備と有効利用のためのシステム」 を開催しました。

農業環境技術研究所農業環境インベントリーセンターは、国内屈指となる約130万点の昆虫標本を所蔵しています。2011年3月から 「昆虫データベース統合インベントリーシステム」 を介して、これらの所蔵情報の発信を本格的に開始しました。しかし、取り組みは始まったばかりであり、膨大な情報をいかに効率的に整理し、さまざまなユーザーに利用してもらうかなど、多くの課題があります。

国内では、大学や都道府県などの博物館においてインターネットによる生物情報の発信が始められており、昆虫情報をより有効に利用するための国内ネットワークの充実も重要な課題です。

また国際的には、生物多様性条約を推進する中で、地球規模生物多様性情報機構(GBIF)によって、昆虫を含むさまざまな生物の多様性情報の収集が進められており、これらに対するわが国の貢献が期待されています。

この研究会では、農業環境資源の一つである昆虫情報の蓄積やその情報発信システムの科学的・社会的な意義を確認するとともに農業環境インベントリーセンターの最近の研究成果を紹介して、今後の課題を議論することを目的としました。

農林水産省、都道府県、研究機関、大学、民間企業などから107名に参加いただきました。

開催日時: 2012年2月23日(木曜日) 13:00−17:15

開催場所: つくば国際会議場 (茨城県つくば市)

主催: (独) 農業環境技術研究所

研究会では、九州大学多田内教授の基調講演 「昆虫データベース構築30年」 の後、第1部(昆虫情報に期待するもの)で2題、第2部(昆虫インベントリー研究の現状)で2題、第3部(昆虫インベントリーの活用事例)で2題、合計6テーマの講演がありました。第2部の終了後には、第1回と同様に、会場前で昆虫標本の展示を行うとともに、パソコンを用いた昆虫データベースのデモンストレーションを行いました。

総合討論では、農業環境技術研究所の特任研究員で国立遺伝学研究所教授の菅原秀明氏が、国内外の生物情報ネットワークの現状を紹介し、インベントリー研究の考え方や進め方について総括しました。

この研究会を通して、インベントリーの蓄積と同時に、利用システムを構築することが、きわめて重要であること、そのためには研究機関と多くの方々との双方向コミュニケーションが必須であることが確認されました。

(写真)

講演会場のようす(つくば国際会議場)

(写真)

昆虫標本の展示(講演会場前ロビー)

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