農業環境技術研究所 大気環境研究領域の飯泉仁之直 研究員が、「作物収量に対する気候変動の影響の広域予測に関する研究」により、2014年度日本農業気象学会賞 学術賞を受賞しました
日本農業気象学会学術賞は「農業気象学・農業気象技術の進歩、発展に著しく寄与した研究業績を上げた会員」に授与される賞です。飯泉研究員は、作物収量に対する気候変動の影響の広域予測に関する研究に取り組み、長期気候変化リスクの評価に加えて、季節予測による主要作物の収量変動予測を食料輸入国の適応策として位置づけるなど、すぐれた研究業績をあげたことが評価され、このたびの受賞となりました。
また、飯泉研究員は、生態系計測研究領域の櫻井玄研究員とともに、「顕著に優れた原著論文が本学会誌に掲載された会員」に授与される日本農業気象学会論文賞も受賞しました。対象となった論文は、「粗い空間解像度の広域作物モデルにおいて1つのグリッド内の作物生育・収量の不均一性を表現するためのアンサンブル手法」(Iizumi, T. et al, (2013) An ensemble approach to the representation of subgrid-scale heterogeneity of crop phenology and yield in coarse-resolution large-area crop models, Journal of Agricultural Meteorology, 69(4), 243-254)です。空間解像度が粗い広域作物モデルの1つの計算格子(約200 km)の中における作物の成長や収量の不均一性を表現する手法を提案したことが高く評価されたものです。