国立研究開発法人農業環境技術研究所は、2015年5月16日(土曜日)、農業環境技術研究所 大会議室 (茨城県つくば市観音台) で、国際土壌年2015 中学・高校生公開講座 「農業と食料を支える小さな生き物たち」 を開催しました。
この公開講座は、今年が国際土壌年にあたることから、中学生、高校生などを対象に、土壌と生物の持つ重要性をより知ってもらうことを目的として開催しました。
土壌は地球の生命を支える大地を形作るとともに、人類の食料をはぐくむ貴重な資源です。この重要な土壌を理解し土壌の健全性を保つために国際土壌年が制定されました。土壌には無数の生物が生息し、さまざまな物質をえさとして分解することによって、作物の生育を助けたり、環境を浄化したりと人間に役立つものがいます。一方で、作物に病気を起こしたり、畑や水田で温室効果ガスを空気中に放出したりするなど、人間にとってやっかいな働きをする生き物もいます。こうした、土壌にすむ小さな生き物たちの働きを知ることは、土壌を健全に保ち人間が自然と調和して生きていくためにとても重要です。
この公開講座では、実験や観察、ミニ講演を通じて、土壌の生物に関する当研究所の最新の成果をわかりやすく解説しました。
開催日時: 平成27年5月16日(土曜日) 10時−12時
開催場所: 農業環境技術研究所 大会議室
後援: 日本土壌微生物学会
参加者: 中学生5名、小学生7名、保護者10名
プログラム:
10:00−10:05 ごあいさつ 農業環境技術研究所 生物生態機能研究領域長 藤井 毅
10:05−10:45 自分で見よう! 土の生き物たち: 顕微鏡観察や実験
(紫外線からお肌を守る微生物、うごめく線虫、植物を病気にするカビ、イネわらからつくるバイオエタノール、微生物が作る酵素でプラスチックを溶かしてみよう)
10:45−11:00 <休憩>
11:00−12:00 土の生物たちの驚きの働き(ミニ講演) 農業環境技術研究所研究スタッフ
豊かな土を作るミミズの働き(金田 哲)
害虫を農薬に強くする微生物(早津雅仁)
草から燃料を作る微生物 (堀田光生)
プラスチックを食べる微生物(北本宏子)
参加された方の感想
主催者から
当初、中学生と高校生を対象とした講座を予定していましたが、この日は近隣の高校の多くで授業参観などの行事があり、高校生からの申込みはありませんでした。開催日時をもっと慎重に選ぶべきだったと反省しています。
一方で小学生に多く参加いただきましたが、中学生から高校生を想定して準備していたミニ講演の内容は少し難しかったようです。