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第2回 公開セミナー 「外来植物のリスクを調べて、その蔓延を防止する」
開催趣旨 プログラム 交通案内 プログラム

Q&A

講演タイトル 「外来生物法」とこの研究全体の目的について
講演者 藤井義晴(研究代表者)

Q1.

このプロジェクトの中では、ある外来植物が侵略的であり防除すべき対象なのか、あるいはそれを差し引いてもベネフィットがあるのか、それを判断する基準を提供するのでしょうか。

A1.

このプロジェクトでは、基礎的な研究を推し進めることを主な目的としています。 例えば、現在外来植物が蔓延している地域の植生をどんな植生に戻すかという点についても、その地域の本来の植生(生態系)は一体どんなものであったのか、そしてそれがどう変わったのかについて基礎的な知見がないと答えを得ることができません。このプロジェクトは全期間でも3年間しかなく、その中でできる研究は限られています。例えば、外来植物の分布やその変遷の過程を追うような研究は3年間では難しいでしょう。そこで、このプロジェクトでは、全国規模の調査やモニタリングの枠組みを構築していきたいと思っています。そうすれば、そこからいずれ少しずつ判断材料となるデータが出てくるのではないかと思っています。リスク・ベネフィットの問題や侵略的外来植物の指定の問題に関しては、次のプロジェクトなどで十分考慮に入れたいと考えています。

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Q2.

このプロジェクト「外来植物のリスク評価と蔓延防止策」では、今後どのような形で一般の方々へ外来植物に関する啓発・教育・広報を行っていく予定でしょうか。

A2.

実は、このプロジェクト「外来植物のリスク評価と蔓延防止策」は、環境省のためだけの研究ではありません。今回の公開セミナーは外来生物法の宣伝のように感じられる方もいるかも知れませんが、実は私たちはあくまでも外来生物のリスク(危険性)と蔓延防止に関する研究を行うことが目的です。このプロジェクトによって、環境省と農林水産省が共管する法律「外来生物法」の円滑な施行をサポートする、という効果も視野に入れています。
このプロジェクトでは、今どんな研究を進めているのか、またどんな研究成果が得られたのかを、一般のみなさんにもわかりやすい形で積極的に情報公開していこうと考えています。情報公開の手段として、今回のような公開セミナーを全国で年2〜3回実施する予定です。具体的には、平成18年8月には岡山市で第3回公開セミナーを開催します。できるだけ最新の情報を皆さんにご報告したいと思います。また、第4回公開セミナーは福岡市で平成18年10月に、第5回公開セミナーは東京・秋葉原で平成18年12月に開催する予定です。みなさまのご参加をお待ちしています。また、ホームページhttp://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/project/plant_alien/index.html)も利用して積極的に情報をお届けしようと考えています。また、できればみなさん方からのご意見もいただければと思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。

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Q3.

外来植物の問題は、いつから大きな問題になってきたのでしょうか。

A3.

特に1990年代に日本に侵入してきた外来雑草は、あるとき突然しかも全国で一斉に発生するというように激しいもので、物理的侵入とも言えるぐらい広がりを持っていたという点で非常に危機的でした。当時のデータによると、輸入穀物に90種ほどの外来雑草の種子が混入していました。この外来雑草の種子は大きく3つのグループに分けることが出来ます。一つめはイチビのように非常に大量に入って来て、現在大量に広がっているもの、2つめは大量に入って来たけれども広がっていないもの(アメリカキンゴジカは非常にたくさん入って来ましたが爆発的な広がりは見ていません)、3つめは全く未知のグループです。一つめと二つめのグループについては、この違いがなぜ起こるのか、その原因を生態的な観点から今後明らかにしていく必要があるでしょう。また、3つめのグループについては、今後未侵入の外来植物に対するリスク評価で重要になってくるでしょう。
もう一つ、注意しておかなければならない外来植物の問題があります。それは、もともとは在来植物でありながら、一旦海外に出た後にそこで遺伝的な変異を受け、これが外来植物として入ってきているもの(里帰り植物)です。この典型的な例が、アキノエノコログサ、イヌビエ、ヒユ類などです。これら里帰り植物は、形態的に在来植物とは違うものもありますが、ほとんどは在来植物と見分けがつきません。こういう植物に対して、今後どのように対処していくか、今後の課題でしょう。こういう里帰り植物は、少なくとも今の外来生物法では全く規制の対象とはなっていません。まだまだ先の話かもしれませんが、このプロジェクト研究を進める中でリスク評価の方向が示せれば良いと思っています。

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主催:独立行政法人 農業環境技術研究所