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第2回 公開セミナー 「外来植物のリスクを調べて、その蔓延を防止する」
開催趣旨 プログラム 交通案内 プログラム

Q&A

講演タイトル アレロパシーの強い外来植物や毒のある外来植物を調べる
講演者 藤井義晴(農業環境技術研究所)

Q1.

日本の在来植物にも強いアレロパシーを示すものがあると思います。それよりも外来植物のアレロパシーの方が強いのでしょうか。

A1.

これまでに2000種類ほどの植物についてアレロパシー活性を調べてきましたが、平均すると在来植物も外来植物もアレロパシー活性はほぼ同じ値になるようです。つまり、在来植物にもアレロパシーが強いものもあれば弱いものもあります。外来植物でも、アカギやギンネムは大変強いアレロパシー活性を示しますが、そのほかのモクマオウなどは弱く、平均すると結局変わらないようです。

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Q2.

アレロパシーの強い外来植物は危険かもしれませんが、利点の大きいものもあります。利用面も考慮した評価が必要ではないでしょうか。

A2.

ご指摘のとおり、リスクと同時にベネフィットも評価することが重要でしょう。このプロジェクトではまずはリスクを評価することを目的としていますが、法律で規制するにあたってはベネフィットも十分に検討する必要があると考えています。

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Q3.

アレロパシー活性はどのようにして調べるのですか。

A3.

アレロパシーの経路は主に下記の4つがあり、それぞれの経路に対応したアレロパシー検出手法を開発しています。
(1)根から分泌されるアレロパシー物質を検出するプラントボックス法http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/result/result08/result08_16.pdf)。この方法は、寒天培地の中で植物を混植し、一方の植物の根から出る物質による影響を直接見る方法です。この方法では、ある植物が根から物質を分泌することによって他の植物の生育に影響を及ぼす可能性があるか否かを検定することができます。
(2)根から分泌されるアレロパシー物質が土壌中で示す活性を検出する根圏土壌法http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/result/result20/result20_18.html)。この方法は、根圏の土を採取し、その土の持つアレロパシー活性を検定するという方法です。
(3)葉から出るアレロパシー物質を検出するサンドイッチ法http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/result/result14/result14_18.html)。この方法では、検定する植物の葉を寒天培地中にサンドッチ状にはさみこみ、その表面上で植物を栽培し、葉から出る物質による影響を見る方法です。これは再現性の高い方法で、これまで2000種類以上の植物の葉について検定を終えています。
(4)植物体から揮発するアレロパシー物質を検出するディッシュパック法http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/result/result16/result16_14.html)。この方法では、植物体から発生したガスを直接サンプリングすることも出来るので、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)という装置を用いれば、どんなガスが発生したのかを推定することも出来ます。

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Q4.

例えば、ギンネムのアレロパシー化合物などはどのようにして同定するのでしょうか。

A4.

私たちはまず、対象とする植物の体内で、最も植物生育阻害活性に寄与している物質を探し出し、それを単離した後に機器分析によりその化学構造を決定します。植物生育阻害物質を単離する際に指標としているのが、私たちが考案し提案している全活性という指標で、どの成分が本当に効いているのか定量的に捉えることのできる指標です。実は、この「いちばん効いている物質を取ってくる」ということがとても大切で、この全活性という指標を作ったことにより本当に効いているアレロパシー物質を取ってくることが容易になりました。

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Q5.

在来種と外来種が遺伝的に近縁であった場合、アレロパシー物質も似たような化合物となるのでしょうか。

A5.

これは非常に難しい問題ですが、一概には近縁の植物は共通のアレロパシー物質を持っているとは言えないものと思います。関連情報ですが、最近、『ネイチャー』や『サイエンス』といった一流科学雑誌を賑わしているアレロパシー関連の論文として、「外国から入ってきた植物が分泌しているアレロパシー物質に対する感受性の違い」という報告があります。キク科植物ケンタウレアの仲間が分泌するアレロパシー物質はカテコール化合物なのですが、ヨーロッパの随伴雑草はこのアレロパシー物質に対して抵抗性を持っているため平気で生育でき、そのためヨーロッパではケンタウレアが爆発的に増えることはないのですが、ケンタウレアの侵入先であるアメリカでは随伴植物がケンタウレアのアレロパシー物質に対する抵抗性を持っていないために随伴植物は生育不良となり、その結果ケンタウレアが優占するようになる、という面白い論文があります。ですから、アレロパシー物質の種類だけではなく、影響を受ける植物側の感受性の違いも非常に大切になってきます。

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主催:独立行政法人 農業環境技術研究所