農林水産省 農林水産技術会議
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腸炎ビブリオ等の微生物は、海水中に存在するために魚介類を微生物の汚染から防ぐことは不可能であり、毎年、水産物に起因する食中毒事件が発生している。厚生労働省は「腸炎ビブリオ食中毒防止対策のための水産食品に係る規格及び基準」を定めているが、腸炎ビブリオによる食中毒は近年でも100~200件(患者数1,000~3,000人)報告されている。また、リステリアについては菌の増殖速度は遅いものの冷蔵保存状態でも増殖が可能であり、国内での発生報告は少ないが諸外国と食品の汚染率は大差がなく、乳幼児や高齢者等のハイリスクグループの死亡例もある。これらの病原微生物については、海洋及び水揚げから流通過程まで含めた微生物の挙動については不明な部分があり、水産物をより安全に供給するためには、総合的なリスク低減化技術を開発する必要がある。
水産物における腸炎ビブリオ、ビブリオ・バルニフィカス、リステリア・モノサイトジェネスのリスクを低減することが可能な技術を開発し、実証・評価する。