2004年


農業環境技術研究所
10月のセミナー予定




平成16年度微生物・小動物研究グループ
セミナー(第4回)
    日 時 : 10月4日(月) 16:00〜17:00
    場 所 : 1階会議室(153号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
菌類ウイルスのベクターは存在するか?
Vectors of mycoviruses - do they exist?
松本 直幸 土 屋
838-8268
Pseudomonas syringae群細菌の多様化には遺伝子の水平移動も関与している?
Horizontal gene transfer may be involved in diversification of Pseudomonas syringae pathovars
澤田 宏之
内   容
・菌類ウイルスのベクターは存在するか?
 生物防除への利用が期待される菌類ウイルスについてはベクターの存在が知られておらず、このことがウイルスの接種実験の大きな妨げになっている。本セミナーでは、いくつかの状況証拠からベクター存在の可能性を示し、その応用面を紹介する。
Pseudomonas syringae群細菌の多様化には遺伝子の水平移動も関与している?
 Pseudomonas syringae群細菌の中には、ファゼオロトシキンを病原性因子として利用する pathovarが2つ存在している。本群菌の多様化機構を明らかにするための一端として、このファゼオロトシキン産生遺伝子群(argK-tox cluster)が2つのpathovarに分布を拡大するのに関わったと思われる構造の探索を試みた。





有機化学物質研究グループセミナー
(海外出張報告)
    日 時 : 10月5日(火) 16:00〜17:00
    場 所 : 5階中会議室(547号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
第10回国際微生物生態学会シンポジウム(ISME-10 in Cancun)参加報告
Report on attendance at 10th International Symposium on Microbial Ecology (ISME-10), Cancun, Mexico
森本 晶 鈴 木
838-8307





第4回NIAES昆虫グループセミナー
    日 時 : 10月6日(水) 15:00〜17:00
    場 所 : 5階582会議室

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
アワノメイガ種群の性フェロモン 田端 純 山 中
838-8253
アズキノメイガにおける性フェロモン類似脂肪酸の生合成 福澤 麻衣
(東京大学)
内   容
・アワノメイガ種群の性フェロモン
 アワノメイガOstrinia furnacalisは,モンスーンアジア地域を中心に分布し,中央ヨーロッパや北米に分布するヨーロッパアワノメイガO. nubilalisとともにトウモロコシの重要な害虫として知られている.日本にはこの他に,フキノメイガO. zaguliaevi,ゴボウノメイガO. zealis,アズキノメイガO. scapulalis,オナモミノメイガO. orientalisが分布し,これら6種は外部形態が互いによく似た近縁種群(アワノメイガ種群)を形成する.
 アワノメイガ種群では,他の蛾類と同様に,配偶者を性フェロモンによって認識する.すなわち,メス成虫が放出する数種の化学物質に対して,同種のオス成虫が特異的に反応することによって,交尾行動が開始される.この種特異性は,主に性フェロモン成分の組成と比率によって決まる.したがって,性フェロモン成分組成比は生殖隔離に関与し,特に本種群のような近縁種群では,配偶活動時に他種と同種を識別する重要な形質であると考えられる.
 ところが,ヨーロッパアワノメイガ,アズキノメイガ,オナモミノメイガの3種の性フェロモンは,まったく同じ2成分の化合物(cis-/trans-11-テトラデセニルアセテート)であることがわかった.また,成分比率も非常によく似ていた.つまり,種特異性は厳密ではないということになる.一方で,ヨーロッパアワノメイガとアズキノメイガには,成分比率に大きな種内変異があることもわかった.本セミナーではこのような性フェロモン組成比の種内・種間における変異/類似性に関する研究例を紹介し,その意義を比較・考察する.
 フキノメイガとゴボウノメイガの2種は,さらにcis-9-テトラデセニルアセテートを加えた3成分を性フェロモンとする.前述の3種とこれら2種の間での性フェロモンの質的変化が,種分化の過程で何らかの役割を果たしてきたであろうことは容易に想像される.そこで本セミナーでは,種間交雑実験の結果を紹介し,この成分組成変化の遺伝的・生化学的な背景を推定・考察する.
・アズキノメイガにおける性フェロモン類似脂肪酸の生合成
 ガ類の性フェロモンは多くの場合,直鎖状の炭素骨格と1-3個の2重結合,そしてアルコール,アセテート,アルデヒドといった官能基を持つ.これらの成分は,体内に一般的なパルミチン酸やステアリン酸などの飽和脂肪酸が炭素鎖の短縮や不飽和化,還元といった酵素反応を受けることにより合成される.この生合成経路において,飽和脂肪酸に2重結合を形成するΔ11位不飽和化酵素は,性フェロモンと同じ炭素骨格を持つ脂肪酸(性フェロモン類似脂肪酸,FAPA)を合成する鍵酵素として注目されている.FAPAは,フェロモン分泌組織であるフェロモン腺で特異的に検出されており,性フェロモン生合成において重要な役割を果たすと考えられるが,その合成制御に関する研究はあまり行なわれていない.近年,ガ類のいくつかの種でΔ11位不飽和化酵素遺伝子の塩基配列が決定され,FAPA合成の仕組みを探る,新たな研究が可能となった.本セミナーでは,アズキノメイガにおける,日齢や断頭とFAPA合成量の関係,Δ11位不飽和化酵素の発現などに関する研究結果を紹介する.





有機化学物質研究グループ
平成16年度連続セミナー(第6回)
    日 時 : 10月19日(火) 16:00〜17:00
    場 所 : 5階中会議室(547号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
トビケラ幼虫を用いた河川における農薬の影響評価
−コガタシマトビケラの試験生物化は可能か?−
Ecological impact assessment of pesticides in the river using caddis fly larvae. −The trial of the indoor breeding of Cheumatopsyche brevilineata (IWATA)−
大津 和久 鈴 木
838-8307





環境化学分析センターセミナー
    日 時 : 10月19日(火) 15:00〜16:00
    場 所 : 環境化学分析センター 1階 共同研究室

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
海外出張報告
「24th International Symposium on Halogenated Environmental Organic Pollutants and POPs」 に参加して
殷 熙洙
渡邉 栄喜
山 口
838-8433





第22回生態システム研究セミナー
    日 時 : 10月27日(水) 15:00〜17:00
    場 所 : 5階会議室(547、549号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
土地利用・植被動態からみたラオス焼畑移動耕作生態系の調査研究について−食糧生産性とバイオマスストックの長期的広域的評価に向けて−
Regional study on shifting cultivation ecosystems in Laos from viewpoints of land use and vegetation dynamics - towards geo-spatial and dynamic estimation of food productivity and biomass stock
井上 吉雄 岩 崎
838-8226
坂 本
838-8228
DNDCモデルによる水田からのメタン放出量の予測
Prediction of methane emission rate from rice paddies with the DNDC model
麓 多門
内   容
・土地利用・植被動態からみたラオス焼畑移動耕作生態系の調査研究について
 東南アジアにおける典型的な焼畑移動耕作地帯であるラオス北部山岳地帯を研究対象として進めている調査研究について紹介します。この研究の目的は、東南アジアに広く分布している焼畑生態系を炭素シンクの面から評価することによって、「土地利用変化および森林変化(LULUCF)」の問題に対して基本情報を提供すること、および、焼畑面積の増大・森林破壊・生産性の低減化の悪循環にある移動耕作生態系を、食糧生産機能と炭素シンク機能等環境保全機能を併せもった生態系に変えていくための生態系管理技術を探索することです。そのため、(1)焼畑稲作の生産性支配要因を明らかにする、(2)農民が適用可能な陸稲ベースの資源循環的輪作システムを開発する、(3)休閑期間におけるバイオマス生長過程を解明しモデル化する、(4)これらをリモートセンシング・地理情報システム・モデリング等の手法を用いて統合化し、土地利用・植被動態・炭素シンク/ソース容量の広域的長期的実態ならびに焼畑移動耕作生態系の管理方法変更にともなうこれらの変化を評価し予測する、という観点から研究を進めています。今回は、現地の実態、研究の進め方、初期的な取得データ等の概要を現地写真のスライドを主体に紹介します。
・DNDCモデルによる水田からのメタン放出量の予測
 主に水田土壌中の酸化・還元反応の速度,イネ植物体を通したメタンや酸素の輸送に関してDNDCモデルを改良した。このモデルを使い,農環研のライシメータ水田や北海道,宮城県などの水田からのメタン放出量を予測したところ,地点や稲わらの施用方法によるメタン放出量の差異を概ね適切に予測できた。ただし,メタン放出量の実測値は年による変動が大きく,予測値が実測値の2倍程度になる年があった。





植生研究グループ特別セミナー
「農環研の化学生態研究:トピックスと将来動向」
    日 時 : 10月28日(木) 14:00〜
    場 所 : 5階中会議室(547号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
全活性および比活性に基づいたアレロパシー研究の再評価
Re-evaluation of allelopathic researches based on the specific activity and the total activity
平舘俊太郎 池 田
838-8312
quorum sensingとquorum quenching (細菌の細胞間情報伝達システムとその病害防除への応用)
Quorum sensing and quorum quenching (Cell to cell communication system in bacteria and the possible applications to disease control)
吉田 重信
どちらが食べられる?−捕食性糸状菌と線虫との多様な関係
Which is preyed upon, the fungus or the nematode? Diverse relationships between predatory fungi and nematodes
岡田 浩明
植物の防御機能を活用した環境低負荷型の病害防除を目指して
Use of activated defense mechanisms in plants-a novel and environmental-friendly option for integrated disease management systems
石井 英夫





栄養塩類研究グループセミナー
    日 時 : 10月29日(金) 15:00〜16:30
    場 所 : 5階中会議室(547号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
The Challenge of Using the LCA Method in Agriculture
農業におけるライフサイクルアセスメント法の問題
Guido HAAS
(Univ. of Bonn)
鈴 木
838-8323
板 橋
838-8327
・The Challenge of Using the LCA Method in Agriculture
 Life cycle assessment (LCA) is a method that can be used to assess the environmental impact of agriculture but impact categories and the functional unit of classical LCA's must be adapted to the specific agricultural production process. Particularly the impact category with the term "land use" must be specially defined. It can be converted to "landscape image" "soil function/strain" and "biodiversity" as separate impact categories. The selection of appropriate functional units is essential when assessing impacts and interpreting the results because in certain impact categories several functional units can be used. If farms are investigated the functional unit 'area' and 'farm' are appropriate respectively. The functional unit "product" in agricultural LCA's should solely be used if a reasonable cause exists and allocation problems are satisfactorily solved which will be rarely the case. Serving as an example the framework of a LCA of 18 grassland dairy farms covering three farming intensity levels and carried out in the Allgaeu region in southern German is presented.