農業環境技術研究所

最終更新日: 2012年9月18日

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9月の公開セミナー

農業環境技術研究所
セミナー開催記録
9月13日(木曜日) 第3回生物多様性研究領域セミナー
9月27日(木曜日) 第525回気象談話会

第3回生物多様性研究領域セミナー

日時: 平成24年9月13日(木曜日)
15:30~17:00
場所: 農業環境技術研究所 5F  547会議室
テーマ 講演者 連絡先
霞ヶ浦におけるカワヒバリガイの分布拡大の現状:2006-2012年の比較 伊藤健二
(農業環境技術研究所・生物多様性研究領域)
瀧本岳
(東邦大学・理学部)
鈴木
電話 838-8254
要旨

国内でカワヒバリガイの最も古い記録は1990年であり、今年で既に22年が経過した。当初は揖斐川を含む木曽川水系と琵琶湖・淀川水系のみで報告されていたが、その後は東海・関東へと生息が確認される水系が増加し、新たな侵入や分布の拡大が進行していることはほぼ間違いないと考えられる。しかし、本種が侵入した後の分布・密度の経年変動については、広域の生息記録の変遷を除きまだ十分な情報がない。

農業環境技術研究所は2011年から東邦大学と共同で霞ヶ浦全域を対象にカワヒバリガイの分布・密度・生息環境の調査を行っており、現在も調査を継続中である。今回は、その中で得られたカワヒバリガイの分布・密度のデータを2006年に行った調査結果(伊藤 2007)と比較し、霞ヶ浦における本種の分布の拡大がどの程度進行しているのかについて報告を行う。

テーマ 講演者 連絡先
アブラムシと寄主植物の組み合わせが捕食者のナミテントウに与える影響 加茂綱嗣
(農業環境技術研究所・生物多様性研究領域)
鈴木
電話 838-8254
要旨

アブラムシを捕食する天敵昆虫であるナミテントウは、自然環境下で農地周辺に生息するアブラムシを捕食して成長・繁殖し、その後農地に飛来し益虫として機能する。しかし、農地周辺のどのような植生がナミテントウの成長に有利であるかは不明であった。そこで、ナミテントウ幼虫に対する農地周辺に生息するアブラムシの餌適性とその寄主植物を解明することを目的とし、さまざまな寄主植物から採取したアブラムシをナミテントウ幼虫に供した。今回はこの試験結果とともに、そこから発展した以下の2つの研究について報告する。(1)セイタカアワダチソウに寄生するセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシのナミテントウ幼虫に対する餌適性は非常に低いことが判明したが、野外ではナミテントウの成虫・幼虫ともにこのアブラムシを捕食している様子が観察される。そこで、このアブラムシのナミテントウに対する餌適性を詳細に検討した。(2)ニセアカシアに寄生するマメアブラムシはナミテントウに対して餌適性が低い一方で、カラスノエンドウに寄生する同種は高い餌適性を示すことから、この差はアブラムシに含まれる植物由来成分の違いに起因すると考えられる。カナバニンと2-アミノエタノールがその原因物質であるという報告が存在するものの、定量性などに疑問が残ることから、これらの成分の再検討をおこなった。

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第525回気象談話会

日時: 平成24年9月27日(木曜日)
13:30~
場所: 農環研本館5F  547会議室
テーマ 講演者 連絡先
Crop responses to tropospheric ozone: mechanisms of damage and tolerance in Glycine max. and Oryza sativa Charles P. Chen
福 岡
電話 838-8205
要旨

The global background concentration of tropospheric ozone has been rising since the Industrial Revolution, and is widely recognized as a problem affecting crop growth and yields. However, the mechanisms of damage and tolerance in plants are complex and still relatively unclear. The leaf-level response of soybean to acute and chronic ozone was characterized using simultaneous measurements of chlorophyll fluorescence imaging and gas exchange. The results showed that both acute and chronic ozone exposure induces spatially heterogeneous damage across the soybean leaf, but the underlying physiological mechanisms of damage differ. In addition, recent QTL analyses of ozone sensitivity and tolerance in rice have identified several loci which are associated with increased ozone tolerance. I will share results concerning one QTL, OzT8, which has been found to be associated with relative maintenance of photosynthetic capacity under ozone stress, and could potentially be used to breed future rice lines with greater tolerance to ozone exposure.

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