独立行政法人農業環境技術研究所では、さきの他機関における特定毒物の所持・使用にかかる報道を受けて、同様の事例がないか、薬品等管理状況の点検を実施したところ、不適正に所持している特定毒物があることが判明いたしました。
このようなことは、国からの付託を受けて事務・事業を行う独立行政法人研究機関である当研究所として、その信頼を損う重大な事態であることを重く受け止め、ここに公表させていただくとともに、今後このようなことが繰り返し発生しないよう再発防止に万全を期す所存であります。
なお、この結果については、関係監督官署へ届出を行っており、その指導のもと適切に措置いたします。また主務省にも報告しております。
また、発見された薬品は過去相当年数にわたり使用実態がなく、また室内で分析用標準試薬として使用するものですので、健康被害や環境流出の危険はないことを併せてお知らせいたします。
○ 発見の経緯
本年10月16日から特定毒物の管理状況について総点検を実施した結果、以下の薬品が、不適正に保有・管理されていたことが判明しました。
・ 不適正に保有されていた薬品名及び保有量
(1) ジエチルパラニトロフェニルチオホスフェイト (別名 パラチオン)
10 ml 瓶×1本(残量約1 ml) 【分析標準品】
(2) ジメチルパラニトロフェニルチオホスフェイト (別名 メチルパラチオン)
10 ml 瓶×1本(残量約2 ml) 【分析標準品】
・ 薬品の所持に至る経緯
当研究所がつくばに移転した昭和55年以前より所持していたと考えられますが、詳しい経緯は不明であり、特定毒物研究者の許可を得ることなく、今日まで保管されていました。
・ 使用の有無
少なくとも過去15年間の使用実績はありません。
・ 見つかった薬品の措置
廃棄の予定であり、監督官署の指導に従って処理します。
○ 再発防止方針
(1) 毒物・劇物等の規制物質に関する法令及び当法人の諸規程に関し、全職員に対する教育・訓練を徹底して行います。
(2) 薬品を一元的に管理できる仕組みを構築し、薬品類の所在を把握し、法令等の改正に当たり適切に指導することができるようにいたします。
(3) 不適切な管理につながりかねない不要試薬等の廃棄処分を定期的に行います。
(連絡先) 独立行政法人農業環境技術研究所
代表電話番号 029−838−8148