遺伝子組換えダイズ栽培実験(平成19年)
「ほ場条件下における遺伝子組換えダイズとツルマメとの自然交雑」
栽培実験の経過(7月19日)
独立行政法人 農業環境技術研究所
2007年8月1日
農業環境技術研究所では、平成19年6月から11月まで遺伝子組換えダイズとダイズの近縁野生種であるツルマメとの自然交雑率を調査する実験を行っています。
このページでは、7月19日に行った除草剤グリホサート耐性遺伝子組換えダイズの2回目の種まきの様子をお知らせします。(本年はツルマメとダイズの両方の花が咲いている期間をできるだけ長くするため、2回に分けて種まきを行います。1回目は6月20日に行いました。)
写真1 (2回目の播種作業)1回目の種まきと同様に、遺伝子組換えダイズの種子は散逸しないように保管している実験室でビニール袋に小分けし、さらにコンテナに入れてほ場まで運搬しました。その種子をほ場全面に敷いたマルチの穴に4粒ずつまきました(左下)。1回目にまいた遺伝子組換えダイズは、間引きして2本にしましたが、その後順調に生育しています。間引きした遺伝子組換えダイズは所内の廃棄用の穴に埋めて再生しないように処理しました。

写真2 (防鳥ネット)種まき後、まいた種子がカラスやハトに持ち出されないように、防鳥ネットをかけました。

栽培実験名: ほ場条件下における遺伝子組換えダイズとツルマメとの自然交雑
栽培目的: 一般に、ダイズやツルマメ(ダイズの近縁野生種)は、同一花の中で受精する性質(自殖性)が強く、花粉が他の花へ移行して受精(他殖)する可能性は極めて低いことが知られています。このため遺伝子組換えダイズとツルマメとの自然交雑率は低いと考えられていますが、両者の自然交雑についての知見をさらに収集することを目的に、遺伝子組換えダイズとツルマメとの自然交雑に関する栽培実験を行います。
栽培概要: 当研究所内の一般試験ほ場(20a)で、除草剤グリホサート耐性組換えダイズとその組換えダイズから一定の距離をおいてツルマメを栽培します。秋にツルマメの種子を採取して、採取したツルマメ種子について組換え遺伝子の有無を調査・解析し、両者間の距離と自然交雑率との関係を明らかにします。
本栽培試験に関する連絡先:
独立行政法人 農業環境技術研究所 生物多様性研究領域