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遺伝子組換えダイズ栽培実験(平成19年)
「ほ場条件下における遺伝子組換えダイズとツルマメとの自然交雑」
栽培実験の経過(10月10日現在)
独立行政法人 農業環境技術研究所
2007年10月24日
農業環境技術研究所では、平成19年6月から11月まで遺伝子組換えダイズとその近縁野生種であるツルマメとの自然交雑率を調査する実験を行っています。
このページでは、10月1日から4日に行った除草剤グリホサート耐性遺伝子組換えダイズ(花粉源)の刈り取り10月10日に行った防鳥ネットの設置についてお知らせします。
写真1 (遺伝子組換えダイズの刈り取り作業の様子)花粉源として栽培していた遺伝子組換えダイズの開花が終了したため、10月1日から4日にかけて遺伝子組換えダイズ地上部を根元から手作業で刈り取りました。刈り取ったダイズは、こぼれ落ちないことを確認しつつ、ほ場から所内の廃棄用の穴まで運搬し、再生しないように穴に埋めました。

写真2 (遺伝子組換えダイズを刈り取った後の混植区)ツルマメとの混植区でも遺伝子組換えダイズを刈り取りました。

写真3 (10月10日現在のほ場の様子)花粉源用の遺伝子組換えダイズを刈り取った跡には、ツルマメ種子が土に埋まるのを防ぐためシートを敷きふさぎました。また、10月10日には、鳥による種子の持ち出しを防ぐ目的で、ツルマメの種子が成熟する前にほ場全面に防鳥ネットを設置しました。

栽培実験名: ほ場条件下における遺伝子組換えダイズとツルマメとの自然交雑
栽培目的: 一般に、ダイズやツルマメ(ダイズの近縁野生種)は、同一花の中で受精する性質(自殖性)が強く、花粉が他の花へ移行して受精(他殖)する可能性は極めて低いことが知られています。このため遺伝子組換えダイズとツルマメとの自然交雑率は低いと考えられていますが、両者の自然交雑についての知見をさらに収集することを目的に、遺伝子組換えダイズとツルマメとの自然交雑に関する栽培実験を行います。
栽培概要: 当研究所内の一般試験ほ場(20a)で、除草剤グリホサート耐性組換えダイズとその組換えダイズから一定の距離をおいてツルマメを栽培します。秋にツルマメの種子を採取して、採取したツルマメ種子について組換え遺伝子の有無を調査・解析し、両者間の距離と自然交雑率との関係を明らかにします。
本栽培試験に関する連絡先:
独立行政法人 農業環境技術研究所 生物多様性研究領域