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遺伝子組換えダイズ栽培実験(平成19年)
「ほ場条件下における遺伝子組換えダイズとツルマメとの自然交雑」
栽培実験の経過(11月28日現在)
独立行政法人 農業環境技術研究所
2007年12月 5日
農業環境技術研究所では、平成19年6月から11月まで遺伝子組換えダイズとその近縁野生種であるツルマメとの自然交雑率を調査する実験を行いました。
このページでは、除草剤グリホサート耐性遺伝子組換えダイズ(生育・収量調査区)の刈り取りについてお知らせします。また、遺伝子組換えダイズと同時に栽培したツルマメは、10月25日に収穫しました。今回の作業により、本実験にかかわる平成19年の栽培が終了しました。本実験については、今後、ツルマメにおける交雑個体の検定等を行い、結果を公表する予定です。
写真1 (生育・収量調査用の遺伝子組換えダイズの刈り取り作業の様子)遺伝子組換えダイズが成熟したので、11月14日に生育・収量調査用に収穫しました。

写真2 (生育・収量調査用遺伝子組換えダイズの運搬方法)収穫したダイズは植物体がこぼれ落ちないように1株ずつ新聞紙で包み、網袋に入れて実験室に運搬、その後、草丈や節数、莢数、子実数などを調査しました。調査終了後のダイズは所内の廃棄用の穴に埋めました。

写真3 (遺伝子組換えダイズ収穫後のほ場、11月28日)ほ場に残っていた遺伝子組換えダイズ及びツルマメの葉や茎を回収し、これらがこぼれ落ちないことを確認しつつ、車両で運搬、所内の廃棄用の穴に埋めました。
今回の一連の作業で、19年度の栽培は終了しました。

栽培実験名: ほ場条件下における遺伝子組換えダイズとツルマメとの自然交雑
栽培目的: 一般に、ダイズやツルマメ(ダイズの近縁野生種)は、同一花の中で受精する性質(自殖性)が強く、花粉が他の花へ移行して受精(他殖)する可能性は極めて低いことが知られています。このため遺伝子組換えダイズとツルマメとの自然交雑率は低いと考えられていますが、両者の自然交雑についての知見をさらに収集することを目的に、遺伝子組換えダイズとツルマメとの自然交雑に関する栽培実験を行います。
栽培概要: 当研究所内の一般試験ほ場(20a)で、除草剤グリホサート耐性組換えダイズとその組換えダイズから一定の距離をおいてツルマメを栽培します。秋にツルマメの種子を採取して、採取したツルマメ種子について組換え遺伝子の有無を調査・解析し、両者間の距離と自然交雑率との関係を明らかにします。
本栽培試験に関する連絡先:
独立行政法人 農業環境技術研究所 生物多様性研究領域