農業環境技術研究所刊行物研究成果情報平成19年度 (第24集)

主要研究成果 1

渥美半島地域を対象とした農耕地土壌分類第3次改訂版に基づく

デジタル農耕地土壌図の作成

[要約]
地力保全基本調査による土壌情報データベースのうちで、多くの地点の土壌調査データが収録されている渥美半島地域を対象として、農耕地土壌分類第3次改訂版に基づいたデジタル農耕地土壌図を作成しました。
[背景と目的]
 わが国の農耕地土壌は、農耕地土壌分類第2次案改訂版(2次案、1983年)により1/5万土壌図が作成され、調査データは「地力保全基本調査による土壌情報データベース(地力保全データベース)」に収録されています。
 1994年に農業環境技術研究所は、農耕地土壌分類第3次改訂版(3次案)を発表しました。3次案は、2次案に比べて分類基準に定量的な土壌の性質を用いており、土壌機能を定量的に示せる点で有用です。そのため、既往の1/5万土壌図を3次案に基づいて改訂することが求められています。
 そこで、多くの地点の土壌調査データが上記データベースに収録されている愛知県の渥美半島地域を対象に、GISソフトを用いて従来の土壌分類を3次案に読み替えることにより、当該地域のデジタル土壌図を作成しました。
[成果の内容]
  1. 土壌図を作成するための地力保全データベースの中で、愛知県については調査地点を特定できる土壌調査データが十分な密度で提供されています(図1)。
  2. ソフトを用いて調査地点を土地分類基本調査(1/5万伊良湖岬、1987)の図に重ねることによって各調査地点の土地利用・地形・地質を確認しました。また、調査地点の土壌断面記載、分析データを地力保全データベースから得ることにより、3次案による土壌分類を地点別に判定しました。このようにして従来の1/5万土壌図の表示単位である県土壌区を3次案の土壌統群に対応させる読み替え表(表1)を作成しました。
  3. GISソフトを用いて、既往の土壌図の表示単位を読み替え表に従い3次案の土壌統群に変換し、3次案を用いた土壌図を作成しました(図2)。
 以上のように、十分な調査地点密度で土壌調査データが得られる地域については、GISソフトを用い3次案に基づく土壌図を作成できることを実証しました。
 なお、作成された3次案に基づく土壌図には、土壌断面記載や分析データがリンクしており、農業環境評価の基礎データとなる土壌情報データベースとしても活用できます。
リサーチプロジェクト名:環境資源分類・情報リサーチプロジェクト
研究担当者:農業環境インベントリーセンター井上恒久、中井信

図表

図表

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