農業環境技術研究所刊行物研究成果情報平成22年度 (第27集)

主要成果 35

昆虫文献目録「三橋ノート」全476冊の画像の完全公開

[要約]
明治時代後半から昭和20年代後半にかけて我が国で行われた昆虫研究に関する文献情報を網羅した「三橋ノート」全476冊 99,419 頁を画像化し、「三橋ノート」に記載されている全情報の閲覧を可能にしました。
[背景と目的]
農事試験場(当所の前身)に一時籍を置いた(故)三橋信治氏が作成した文献目録「三橋ノート」は、明治時代後半から昭和20年代後半の我が国における昆虫文献情報を網羅した貴重な二次資料で、これには、最近のデータベースでは検索できない時代の情報が納められています。農業環境技術研究所では「三橋ノート」全頁の画像化を進めてきましたが、今回、全476冊の全ての頁を画像データベースとして完全公開しました。
[成果の内容]
  1. 「三橋ノート」は、コウチュウ目(136冊)、チョウ目(119冊)、ハチ目(65冊)、ハエ目(43冊)、カメムシ目同翅類(42冊)、カメムシ目異翅類(20冊)、他51冊の全476冊からなり(表1)、各頁には日本産の昆虫 27,964 種に関する明治時代後半から昭和20年代後半までの文献書誌情報(著者名、タイトル、書名、巻、号、頁、発行年など)が分類群毎に整理されています。これらの頁のデジタル画像を作成し、画像データベースとして Web 上に公開しました(http://mitsuhashi.niaes.affrc.go.jp図1)。裏面の分布等に関する書き込み(図3)も含め三橋ノートの 99,419 頁全ての情報が閲覧可能になりました(表1)。
  2. 本画像データベースには、歴史的経緯のため、昭和20年以前の台湾、朝鮮半島および中国東北部の昆虫とその関連文献の情報も含まれています。
  3. 各頁に記されている主要な学名と和名をその頁のキーワードとして登録してあり、閲覧したい分類群の学名もしくは和名を用いて掲載頁を検索し、閲覧することができます。なお、頁画像の和名キーワードには現代仮名遣いを使用しています。
  4. 日本産の全ての昆虫グループに関する分布情報や害虫種の発生情報など、他の文献データベースでは入手困難な時代の情報を特定の種を指定して検索できるようになり、時代的変遷を扱う生物多様性研究や分類研究等の発展に貢献できるものと期待されます。

リサーチプロジェクト名:環境資源分類リサーチプロジェクト
研究担当者:農業環境インベントリーセンター 吉松慎一、吉武 啓、中谷至伸、生物多様性研究領域 安田耕司
発表論文等:三橋ノート画像データベース(http://mitsuhashi.niaes.affrc.go.jp


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