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第28回 土・水研究会
温暖化緩和策と土・水圏の物質循環研究の接点
(2011年2月23日)

2月23日(水曜日)、農林水産技術会議筑波事務所 農林ホールで、第28回土・水研究会 「温暖化緩和策と土・水圏の物質循環研究の接点」 を開催します。

IPCC第4次評価報告書によると、農業を起源とする温室効果ガスの2004年の発生量は全球で約66億トン(二酸化炭素換算)、人為発生量の13.5パーセントを占め、削減が求められています。農地から発生する3種類の温室効果ガス(CO、 CH、 NO)の各々に関して、メカニズム解明のための研究と同時に、その削減のための技術開発や定量的評価が進められ、実際の現場への適用も開始されつつあります。農地への有機物投入による炭素蓄積、水管理に基づいたCH削減、肥料の種類や施肥法、硝化抑制剤によるNOの削減、また、田畑輪換、不耕起栽培なども検討されています。

一方、土・水研究会においては、これまで土壌の有するさまざまな環境保全機能や養分循環の解明、窒素やリンの環境影響とその削減対策といった問題に取り組んできました。ここでは土壌−水圏における水や化学物質の挙動解明を通して、肥沃度の増進と土壌汚染、水質汚染の低減をめざしています。温室効果ガスの発生は、大気−土壌−水−生物圏におけるダイナミックな物質循環の一環であり、温暖化緩和策は土・水圏の機能や循環と相互に影響を及ぼし合っています。トレードオフの関係や相乗効果を明らかにして、総合的に評価することが重要と考えられます。

この研究会では、温室効果ガス発生と土・水圏の物質循環にかかわる研究者から話題提供をいただき情報交換の場とするとともに、今後の両分野の協力による総合的な研究について展望します。

開催日時: 2011年2月23日(水曜日) 10:00−16:50

開催場所: 農林水産技術会議事務局 筑波事務所 2階 農林ホール
(茨城県つくば市観音台2−1−9)(周辺地図と交通案内) (最新のURLに変更しました。2012年1月)

主催: 独立行政法人 農業環境技術研究所

参加: 無料
事前参加登録は終了しました。
当日、会場での参加登録も行いますので、未登録の方は受付にお知らせください。

プログラム

10:00−10:10  あいさつ

農業環境技術研究所 理事長 佐藤 洋平

10:10−10:25  開催趣旨について

農業環境技術研究所  新藤 純子

10:25−11:05  農耕地土壌から発生する亜酸化窒素と削減技術の評価

農業環境技術研究所  秋山 博子

11:05−11:45  窒素溶脱・流出に伴う亜酸化窒素の間接発生: 定量化と要因解明

農業環境技術研究所  南川 和則

11:45 - 12:45  昼食

12:45−13:25  農地土壌における水・有機物管理によるメタン発生制御

農業環境技術研究所  須藤 重人

13:25−14:05  農地土壌の炭素蓄積に関する国内外の研究動向

農業環境技術研究所  白戸 康人

14:05−14:45  有機物などの長期連用が土壌炭素含量におよぼす影響 −土壌環境基礎調査基準点調査データベースを活用した解析−

中央農業総合研究センター 太田   健

14:45−15:00  休憩

15:00−15:40  畑地における有機物施用と窒素環境負荷

岡山大学大学院環境学研究科 前田 守弘

15:40−16:20  カバークロップの炭素貯留機能と窒素動態

茨城大学農学部  小松崎将一

16:20−16:50  総合討論

参集範囲: 国公立試験研究機関、 独立行政法人、 大学、 行政部局、 民間団体など

問い合わせ先:
〒305-8604 茨城県つくば市観音台3-1-3
農業環境技術研究所 物質循環研究領域長 新藤純子
電話・FAX: 029-838-8322 
E-mail(事務局): tsuchimizu@niaes.affrc.go.jp

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