独立行政法人農業環境技術研究所は、11月1日(木曜日),文部科学省研究交流センター(つくば市)において,第12回有機化学物質研究会 「化学物質による環境中生物への影響評価 −遺伝子から生態系まで−」 を開催します。
開催趣旨
私たちの生活は,食料の安定生産が農薬の使用なしには困難であるなど,様々な化学物質を利用することによって成り立っています。その一方で,化学物質の過度の使用は周辺環境への流出を伴い,環境中の生物に影響を及ぼすことが指摘されています。このため,化学物質による生物影響を調べることは,人間活動と生態系保全の両立を図る上で極めて重要です。
従来から,生物影響を評価する手法として,生物に化学物質を曝露させ,生存や繁殖など個体への影響を評価する手法が採られてきましたが,近年,分子生物学の進展により遺伝子レベルでの生物応答を解析する研究と,個体群・群集レベルでの多様な生物群への影響を扱う研究の両方向に展開してきています。
そこで,本研究会では,有機化学物質を主な対象として,遺伝子から個体,群集までの様々なレベルにおける「化学物質の生物影響」に関する研究成果の現状を紹介するとともに,今後の課題と展望について議論を深め,化学物質の生態リスク評価研究の推進に資することを目的とします。
開催概要
日時: 2012年11月1日(木曜日)
場所: 文部科学省研究交流センター(つくば市竹園2−20−5) [交通案内]
主催: (独)農業環境技術研究所
参集範囲: 国公立・独立行政法人試験研究機関、大学、民間企業、行政部局 など
参加: 無料
事前登録は終了しました。
会場での参加登録もお受けしますので、未登録の方は会場受付にお知らせください。
プログラム
10:20−10:30 開会挨拶
(独)農業環境技術研究所 理事長 宮下 清貴
10:30−11:15 Ecological System Toxicology は生態系進化への影響を評価できるか?
東洋大学 生命科学部 柏田 祥策
11:15−12:00 化学物質影響評価へのトキシコゲノミクスの活用と挑戦
愛媛大学 沿岸環境科学研究センター 仲山 慶
12:00−13:30 (昼食)
13:30−14:15 個体レベルでの急性毒性評価とその感受性変動
(独)農業環境技術研究所 有機化学物質研究領域 横山 淳史
14:15−15:00 農薬生態毒性データベースの構築とその活用 〜 種レベルと群集レベルの評価をつなぐ 〜
(独)農業環境技術研究所 有機化学物質研究領域 永井 孝志
15:00−15:30 (コーヒーブレイク)
15:30−16:15 生物多様性に対する総合的影響評価手法としてのメソコズム実験
(独)国立環境研究所生物・生態系環境研究センター 五箇 公一
16:15−17:00 総合討論
17:00 閉会
情報交換会
時間: 17:30 − 19:00
場所: caffe berger(カフェ・ベルガ) (研究会会場より徒歩5分) [周辺地図]
会費: 3,000 円