独立行政法人農業環境技術研究所は、12月4日(火曜日)、台東区生涯学習センター(東京都台東区西浅草3丁目)において、公開セミナー「環境に優しい農業と暮らしに役立つ生分解性プラスチック利用促進技術の最前線」を開催します。
開催趣旨
生分解性プラスチック(生プラ)は、従来の分解しないプラスチックとは異なり、環境中に生息する微生物のはたらきで自然に分解するため、利用後に回収と処理が要らず、省力化やゴミの削減ができる。さらに、生プラ原料のバイオマス化が進み、化石資源の消費が抑えられる利点もある。生プラは、我が国では主に農業用マルチフィルムに使われ、ヨーロッパ諸国では、農業用のみならずレジ袋など生活資材としてここ数年急速に市場が拡大している。その一方で、思うように自然環境下で分解しない、あるいは反対に使用中に分解し役に立たなくなってしまうなど、生プラの分解制御が普及上の技術的課題となっている。
(独)農業環境技術研究所では、これまでに、植物の表面に生プラを分解する微生物が生息していることを発見するとともに、その中から強力な分解微生物を選抜し、これらの微生物が生産する分解酵素の大量生産や、実際に農地に置かれた生プラマルチフィルムを短時間で分解することに成功している。
本シンポジウムでは、生プラに関わる研究者、メーカー、ユーザー、行政等のステークホルダーの参加を得て、生プラについての世界や我が国の需要動向をレビューするとともに、農業環境技術研究所で開発された生プラ利用促進技術を中心に、その実用化に向けての議論を深める。
開催概要
日時: 2012年12月4日(火曜日) 13:30−17:40
場所: 台東区生涯学習センター2階 ミレニアムホール
(東京都台東区西浅草3丁目25番16号) [交通案内]
(つくばエクスプレス線 浅草駅より徒歩5分、地下鉄日比谷線 入谷駅より徒歩8分)
主催: (独)農業環境技術研究所
後援: 農業用生分解性資材研究会
参集範囲: 民間企業、行政部局、農業関連試験研究機関、大学 など
参加: 無料
事前登録は終了しました。
当日、会場での参加登録もお受けしますので、未登録の方は会場受付にお知らせください。
プログラム
13:30−13:40 開会挨拶
(独)農業環境技術研究所 理事長 宮下 C貴
13:40−14:10 生分解性プラスチックとは −概論及び生分解評価−
(独)産業技術総合研究所 国岡 正雄
14:10−14:35 欧州の生分解性プラスチック市場について
ケミテック株式会社 星野 修
14:35−15:00 農業分野から排出されるプラスチック類をめぐる情勢
農林水産省生産局園芸作物課花き産業・施設園芸振興室 堀川 昌昭
15:00−15:25 生分解性マルチフィルムの現状と課題
農業用生分解性資材研究会 坂井 久純
15:25−15:50 休憩 (ロビーにて、生プラ分解の実演、パネル展示)
15:50−16:15 中山間地での生プラマルチフィルムを使用した農業
(有)吉備高原ファーム 山本 陽子
16:15−16:40 生プラ分解微生物の発見と生プラ分解制御への利用
(独)農業環境技術研究所 北本 宏子
16:40−17:05 生プラ分解酵素を使った農業現場での分解
(独)農業環境技術研究所 小板橋 基夫
17:05−17:35 パネルディスカッション
17:35−17:40 閉会挨拶
(独)農業環境技術研究所 理事 岡 三徳