独立行政法人農業環境技術研究所は、2015年2月26日(木曜日)午後、つくば国際会議場(エポカルつくば)において、第5回 農業環境インベントリー研究会 「農業環境影響評価手法の開発を目指して」 を開催します。
開催趣旨
近年、農業活動は環境にさまざまな影響を及ぼしていることが明らかになってきました。そのため、現在、各地で農業活動による環境負荷への影響に配慮しつつ、安全・安心で高品質な農作物の生産をめざす研究が進められています。これまでにも、メタン発生量の削減、農薬の使用低減、土壌の炭素貯留、生物多様性の維持などを目的としたさまざまな技術の開発や指標策定のための研究が行われ、一部ではすでに現地実証試験が行われています。しかし、その一方で、土壌の炭素貯留をめざして水田の有機物投入を増やすとメタン発生量が増加するなど、個々の技術の間には、しばしばトレードオフの関係が生じることが知られています。さらに、こうした環境保全的な管理手法が環境に対してどのような効果をもたらしているのかを客観的に示す手法が求められています。このことから、農業技術の活用場面では、個々の技術の環境への影響を量的に評価し、かつ収量、生物多様性などの便益性を加えて総合的に評価する手法の開発が望まれています。
農業環境技術研究所は、こうした課題を解決するため、第3期中期計画において、農業分野では国内で初めての「総合的環境影響評価(エコバランス評価手法)」の開発に向けた研究を開始しました。具体的には、高い農業生産性と環境保全の両立に向けた農業生態系管理シナリオの策定に資するため、多様な空間情報、モデル、LCA手法、統計手法などを活用し、温室効果ガスの排出、土壌炭素の貯留、生物多様性、地下水への硝酸性窒素の溶脱、窒素の広域フロー等ならびに生産性を考慮したエコバランス評価手法の開発をめざします。
この研究会では、国内のLCA研究に関連する専門家からご講演をいただくとともに、当所でのこれまでの取り組みの現状を紹介します。さらに、それらについて参画者間で情報交換を行うことにより、エコバランス評価の重要性について認識を深めることを目的とします。
第5回農業環境インベントリー研究会
開催案内ポスター
(PDFファイル 7.1 MB)
開催日時: 2015年2月26日(木曜日) 13:00−17:15
開催場所: つくば国際会議場(エポカルつくば) 中ホール200
(茨城県つくば市竹園2丁目20番3号)(会議場周辺地図)
主催: 独立行政法人 農業環境技術研究所
参加: 参加無料
事前参加登録は終了しました。会場での参加登録も行いますので、未登録の方は受付にお知らせください。