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河川付着藻類を用いた
農薬の毒性試験マニュアル

マニュアル(表紙)

(独)農業環境技術研究所
化学物質環境動態・影響評価リサーチプロジェクト

河川付着藻類を用いた
農薬の毒性試験マニュアル

Ver. 1.0 (2014年2月)

マニュアル PDFファイル (5.5 MB)
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農薬は安定した食物生産に有効な資材ですが、農耕地の外に流出した場合には、標的としていない生物へ悪影響を与える懸念があります。とくに日本の農業は水田を中心としているので、そこで使われた農薬が灌漑(かんがい)水を通じて河川に流出しやすいという特徴があります。また、除草剤は水生生物の中でもとくに藻類などの一次生産者に対する毒性が強いので、流出した除草剤の河川生態系に対するリスクを評価する必要があります。

このマニュアルは、河川の生態系中で一次生産者として重要な役割を持っている付着藻類を対象として、農薬のリスクを評価するための毒性試験方法を記したものです。より多数の藻類種への毒性データを、より少ない労力で得られるように試験をデザインしました。また、単なる毒性試験のマニュアルにとどめるのではなく、種の感受性分布の活用に至る流れを包括的に記載することに留意しました。農薬の生態影響評価にかかわる方にはぜひ目を通していただきたい資料です。

なお、このマニュアルは、環境省環境研究総合推進費 「適切なリスク管理対策の選択を可能にする農薬の定量的リスク評価法の開発(C−1102)」(平成23〜25年度) において得られた成果の一部を、農業環境技術研究所の化学物質環境動態・影響評価リサーチプロジェクトの責任において取りまとめたものです。

希望者には印刷物を配布します。

問い合わせ先:

(独) 農業環境技術研究所 永井孝志

Tel: 029-838-8148(代表)

E-mail: nagait(at)affrc.go.jp

目次

1. 背景

1.1. 水稲用除草剤と河川付着藻類

1.2. 農薬の生態リスク評価と種の感受性分布

1.3. 藻類を用いた毒性試験の現状

2. 河川付着藻類について

2.1. 藻類の多様性

2.2. 試験生物種の選定

3. 藻類の入手と維持管理方法

3.1. 藻類の入手

3.2. 培地の作成

3.3. 藻類株の維持・管理

4. 毒性試験方法

4.1. 試験設計

4.2. 試験に必要な器具

4.3. 前培養

4.4. 試験液の作成

4.5. 培養試験

4.6. 農薬濃度の分析方法

5. データ整理と統計解析

5.1. データ整理

5.2. 濃度反応関係の解析

5.3. SSD の解析

5.4. レポーティング

6. 参考文献

7. 付録

7.1. 用語の定義

7.2. 藻類の維持管理例

7.3. 各種データ

7.4. 標準有機化学物質(DCP)を用いた毒性試験結果

濃度反応関係の計算用 Excelファイル
drc.xlsx のダウンロード
SSD 計算用 Excel ファイル
ssd.xlsx のダウンロード

統計解析の章で記載しているプログラム 「RExcel」 の無償利用については、学習目的などの非商用目的に限られます。商用目的に使用される場合は、http://www.statconn.com/ でライセンスを購入する必要がありますので、ご注意ください。

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