農業環境技術研究所プレスリリース・お知らせ

お知らせ
NIAES
平成23年11月15日
独立行政法人 農業環境技術研究所

農環研が 『農業と環境の空間情報技術利用ガイド』 を刊行
―リモートセンシング、GIS、GPSの利用法を解説―

ポイント

・ リモートセンシング(遠隔計測)、GIS(地理情報システム)、GPS(全地球測位システム)の農業・環境分野での利用法と研究成果をわかりやすく紹介しています。

・ 農業生産、環境問題、生態系調査にかかわる研究者や実務者、関連分野の教育・普及関係者などに配布しています。

概要

1. 独立行政法人農業環境技術研究所(農環研)は、冊子「農業と環境の空間情報技術利用ガイド ―リモートセンシング・GIS・GPS 利用のために―」を作成しました。

2. 農業環境問題の解決に向けて空間情報技術を活用するため、リモートセンシング(遠隔計測技術)、GIS(地理情報システム)、GPS(全地球測位システム)を利用した農環研の研究成果や、さまざまな現場での利用技術を紹介しています。

3. 農業生産や環境問題、生態系保護などにかかわる研究者や実務者、さらには関連分野の教育・普及活動等にかかわる方を主な読者と想定して、専門性と情報量を維持しながら、わかりやすく解説しました。

4. 本冊子(B5判141ページ、非売品)は関連する研究機関・組織、大学などに配布します。個別に入手を希望される方は、事務局あてのメール ( rsgis@niaes.affrc.go.jp )、または、ファックス ( 029-838-8299 )で、お問い合わせください。

問い合わせ先など

発行者:

(独)農業環境技術研究所 茨城県つくば市観音台3-1-3

理事長    宮下  C貴

企画・監修:

(独)農業環境技術研究所 生態系計測研究領 域

上席研究員    井上  吉雄

TEL 029-838-8220

編集・執筆:

(独)農業環境技術研究所 生態系計測研究領域

上席研究員    井上  吉雄

上席研究員    芝山  道男

上席研究員    岡本  勝男

上席研究員   David Sprague

主任研究員    岩崎  亘典

主任研究員    石塚  直樹

  研究員    坂本  利弘

広報担当者:

(独)農業環境技術研究所 広報情報室

広報グループリーダー 小野寺 達也

TEL 029-838-8191

電子メール kouhou@niaes.affrc.go.jp

(参考) 「農業と環境の空間情報技術利用ガイド」 の表紙

[衛星から見た地球の写真]/―リモートセンシング、GIS、GPS利用のために―/[疑似カラー衛星画像]/[デジタル化された古地図]/[空間情報をもとに色分けされたマップ]/農業と環境の空間情報技術利用ガイド/(独)農業環境技術研究所

農業と環境の空間情報技術利用ガイド (表紙)

(参考) 「農業と環境の空間情報技術利用ガイド」 刊行にあたって

刊行にあたって
―農業環境問題解決に向けた空間情報技術の活用のために―

本ガイドブックは、農業環境技術研究所生態系計測研究領域の空間情報研究グループがこれまでに行ってきた研究成果やノウハウを、広く農業生産や環境 問題、生態系問題に関わる研究者や実務者の方々、さらには関連分野の教育・普及活動等に関わる方々に伝えることを目的として編集したものです。そのため、 専門性と情報量を維持しつつも、できるだけわかりやすく解説することをこころがけました。第 I 部ではリモートセンシング、第II部では GIS、第III部では GPS についてそれぞれ解説し、第IV部は資料集として関連 Web サイトを幅広く集録するとともに、グループの過去5年間の成果集と論文リストを収録しました。

近年、多くの地域で食糧生産と環境保全上の問題が顕在化しています。これは温暖化などの地球規模の環境変化のみならず、市場経済のグローバル化に伴って諸国家・地域の農業生産と環境問題が密接につながっているためです。そのため、国内的には作物の生育・収量の診断や精密農業、環境負荷の広域評価、 適正農業管理工程等への対応を含む産地の市場戦略において、空間情報の活用はきわめて有効です。また、輸入食糧への依存性が高い我が国では、世界各地で生 産されている農作物の生産状況を早期に把握することは、農業施策や食糧確保のための意思決定の基礎として重要です。

一方、農地、林地、草地などの陸域植生は、水・炭素・窒素などの循環に深くかかわっており、また生物資源の量・多様性の持続性にも多大な影響を与え ます。地域の炭素・窒素循環の評価や、温暖化の緩和策・適応策においても、生態系の空間的・時間的な変動の実態を把握することは不可欠です。

このような背景のもと、国内および国際的な農業問題と地球環境科学的な問題の解明、および意思決定の基礎として、広域的・適時な空間情報が今日ほど重要であったことはないと考えられます。

本ガイドブックによって、広範な利用場面において空間情報技術の活用が進み、問題解決の一助になれば、編著者としてこの上ない喜びです。

(参考) 「農業と環境の空間情報技術利用ガイド」 の主な目次

I. リモートセンシング

はじめに

1. リモートセンシングの基礎

1.1 リモートセンシングとはどんな方法か

1.2 リモートセンシングデータの特性

1.3 観測の仕方

2. リモートセンシングデータからの情報抽出と利用事例

2.1 地上観測の方法と実際

2.2 航空機観測の方法と実際

2.3 衛星観測の方法と実際

3. 参考文献

II. GIS: 地理情報システム

はじめに

1. 地図データの基本的な性質と GIS の機能

1.1 地図とデータを繋ぐ

1.2 地表面と地図面の関係を整理する

1.3 「位置」を表す

1.4 GIS データとはどのようなものか?

2. 地図データの利用法

2.1 GIS を利用した空間情報処理の基本

2.2 利用事例

3. データおよび解析/表示ソフトウェア

3.1 GIS データの所在

3.2 解析/ 表示ソフトウェアの紹介

4. 引用文献

III.GPS: 全球測位システム

はじめに

1. GPS の基礎

1.1 GPS が記録する基本的な情報

1.2 記録方法位置情報を記録する方法は大きく分けて3種類

1.3 GPS の使い方:質の高いデータを取得するための手順

2. GPS 装置の種類

2.1 GPS の種類

2.2 GPS を利用するソフト

3. 利用事例

3.1 GPS を使ったリモートセンシング画像解析のための現地調査

3.2 農地・農村の記録:写真を撮るぐらいならば、位置も記録しよう

3.3 地図作成支援:地図に書いていない農地設備や道を地図に加える

3.4 作業記録:日々の作業の移動路と時間を記録する

3.5 作業支援:農村ナビ

3.6 精密農業での利用

4. 参考文献

IV. 補足資料・情報類

索引

(全文および補足情報を収録した CD を添付)

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