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NIAES
平成26年1月8日
独立行政法人 農業環境技術研究所

農地の土壌の種類がわかるスマートフォン用無料アプリ “e-土壌図” を公開

『e-土壌図』アプリのアイコン

ポイント

・ 農地の土壌の種類がわかるスマートフォンやタブレットコンピュータ用の無料アプリケーション “e-土壌図” を公開しました。

・ 画面上で知りたい場所の農耕地土壌図を表示できるとともに、土壌の種類や特性に関する情報を入手できます。また、自分が集めたメモや画像を土壌図に保存することもできます。

・ 営農指導や土壌調査の支援ツールとしての利用が期待されます。

概要

1. 独立行政法人農業環技術研究所(農環研)は、どこでも簡単に土壌情報を利活用できるスマートフォン用アプリケーション “e-土壌図” を開発しました。

2. “e-土壌図” は、農環研が公開している 「土壌情報閲覧システム( http://agrimesh.dc.affrc.go.jp/soil_db/ )」 に収録されている土壌情報をスマートフォンやタブレットコンピューターで検索・表示するアプリケーションです。

3. また、表示された土壌図にメモ、画像ファイルなどを追加して、他の機器との間やグループの中で共有することができます。

4. “e-土壌図”は、iOS*1用がアップル社の APP Store*2で11月21日(木)から無料で配布されています。なお、Android*3用アプリについては近日中にグーグル社の Google Play*4で公開する予定です。

予算: 農業環境技術研究所運営費交付金 (2012-2013年)

問い合わせ先など

研究推進責任者:

独立行政法人 農業環境技術研究所 茨城県つくば市観音台 3-1-3

理事長  宮下 清貴

研究担当者:

独立行政法人 農業環境技術研究所 農業環境インベントリーセンター

任期付研究員 農学博士  高田 裕介

TEL 029-838-8173

広報担当者:

独立行政法人 農業環境技術研究所 広報情報室

広報グループリーダー  小野寺 達也

TEL 029-838-8191
FAX 029-838-8299
E-mail kouhou@niaes.affrc.go.jp

開発の社会的背景と研究の経緯

農環研は、農耕地を中心とした土壌情報の利活用を促進するため、インターネット上のウェブサイト 「土壌情報閲覧システム」 においてデジタル農耕地土壌図や土壌に関する情報を発信してきました。この 「土壌情報閲覧システム」 には、これまでに150万件を超えるアクセスがあり、土壌情報の利用者は急速に拡大・多様化しています。多様化した利用者ニーズに応えるため、土壌情報の新たな発信方法や利用方法の高度化について、さらに研究開発を進めました。

研究の内容・意義

1. “e-土壌図” では、スマートフォンなどのGPS機能により、デジタル農耕地土壌図を検索・表示できます(図1A)。スマートフォンなどの地図機能を利用して、必要に応じて土壌図の背景に地図(図1A)または衛星画像(図1B)を表示できます。画面上で詳細を知りたい場所をタップすると、その地点の土壌の分類名が表示され、分類名をさらにタップするとその土壌の特性が表示されます(図1C)。

図1 “e-土壌図”の操作画面

図1 “e-土壌図”の操作画面
A:一般地図を背景にした土壌図とアプリ機能、B:衛星画像を背景にした土壌図、C:土壌の特性の説明画面

2. デジタル農耕地土壌図はアプリケーションの一部として、スマートフォン内に保存されます。また、背景図 (地図または衛星画像) についても簡単な操作でダウンロードできるので、通信圏外の地域でも圏内と同様に土壌図を閲覧できます。

3. “e-土壌図” では、利用者が作成したメモ、画像ファイルおよびPDFファイルを土壌図上の地点と結びつけて保存できるので、空間情報に関する専門知識をもたない利用者でも、簡単に土壌図を利用しやすくなりました。また、これらのデータはフォルダーごとにアクセス権限を設定して、他の機器やユーザーと共有することもできます。(図2)

(1)写真やメモを記録したピンを土壌図上に配置できます。 (2)ピンはクラウド上にも保存できるので、異なるデバイスやユーザーからでも、ピンをGoogleEarth上で編集できます。

図2 メモ、写真、PDF を土壌図にピン (図では水田を青色ピン、畑を赤色ピンで表示) として貼り付け、複数の異なるデバイスでユーザー独自の土壌図を作成・管理できます。

今後の予定・期待

営農指導者などが “e-土壌図” を用いて農耕地土壌図上に独自の情報を追加することで、空間情報に関する専門知識を持たない方でもきめ細やかに土壌診断する、作物の病害虫・雑草の防除に活かすなど、総合的な作物管理に役立てることを期待しています。

用語の解説

*1: iOS は、Apple Inc. が開発・提供するオペレーティングシステムの商標です。

*2: App Store は、Apple Inc. が運営する、iOS 端末向けソフトウェアのダウンロードサービスです。

*3: Android は、Google Inc. が開発・提供するオペレーティングシステムの商標です。

*4: Google Play は、Google Inc. が運営する Android 端末向けのソフトウェアのダウンロードサービスです。

新聞掲載: 日本農業新聞(1月9日)、化学工業日報(1月14日)、日経産業新聞(1月17日)、科学新聞(1月24日)

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