農業環境技術研究所環境化学トピックス(2005) > 農薬はなぜ必要なのでしょうか?

農薬はなぜ必要なのでしょうか?

農薬の散布(イメージ)
田んぼや畑などの農耕地では効率よく農作物を作るために同じ作物が広範囲に栽培されています。そのため、農耕地は生態系が非常に不安定で病害虫や雑草が発生しやすい場所になっています。このような環境で品質の良い作物を安定して生産するためには、病害虫や雑草を防除して作物を保護する必要があります。


農薬を用いた病害虫や雑草の防除は優れた防除方法のひとつであり、農薬は今日の豊かな食生活おくる上で欠かせない農業資材の一つとなっています。

農薬は危険なの?

農薬の危険性(イメージ) 農薬は病害虫や雑草防除を目的に開発されているため、すべての農薬はいずれかの生物に対して微量で活性を有しています。そして、多くの農薬は人工的に合成された物質であるため、農薬の使用に対して不安を抱えている人は少なくありません。

また、過去に使用された農薬の中には残留性が高く、現在もなお環境中に存在して問題となっているものもあります。

科学技術の進歩・行政の取り組みなどにより、近年使用されている農薬の安全性は、以前に比べると飛躍的に高まっているものの、農薬を取り巻く問題はまだまだ多く、解明・解決すべき研究課題はたくさんあります。