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生物研麻布大学
プレスリリース
平成25年8月12日
独立行政法人 農業生物資源研究所
麻布大学

世界初!超低温保存した子豚の精巣をもとに子豚が誕生

- 希少な家畜遺伝資源の新たな保存・利用の基盤技術として期待 -

ポイント
  • 液体窒素内に保存した子豚の精巣をヌードマウスに移植し、発育した精巣から生きた精子を作り出すことに成功しました。
  • さらに、採取した精子を卵に顕微授精した受精卵から、正常な子豚を誕生させることに世界で初めて成功しました。
  • 本成果は、豚を始め、様々な希少な家畜遺伝資源の保存・利用に応用できる基盤技術として期待されます。

概要

  1. 独立行政法人農業生物資源研究所(生物研)と麻布大学は、組織へのダメージが少ないガラス化冷却法1) によって超低温保存した子豚の精巣をヌードマウス2) に移植し、そこから生きた精子を発生させることに成功しました。
  2. 発生させた精子を卵に注入(顕微授精3) )して作った受精卵を雌豚に移植する方法(受精卵移植4))で、正常な子豚の生産に世界で初めて成功しました。
  3. この技術の開発により、幼若な豚の精巣を長期間保存し、そこから必要な時に次世代を生産することが可能となりました。本技術を活用することで、成体になりにくい疾患モデル豚5)の系統を維持することが可能になります。また、成体からの精液採取が難しいアジアなどの貴重な豚品種や他の希少家畜種の新たな保存・利用法の基盤技術としても期待されます。
  4. この成果は、7月30日に米国科学雑誌PLOS ONEに発表されました。
予算 :運営費交付金
プレスリリース全文 [PDF:912KB]
【発表論文】

Kaneko H, Kikuchi K, Nakai M, Somfai T, Noguchi J, Tanihara F, Ito J, Kashiwazaki N.
Generation of live piglets for the first time using sperm retrieved from immature testicular tissue cryopreserved and grafted into nude mice.
PLOS ONE 2013, 8(7): e70989. DOI: 10.1371/journal.pone.0070989

問い合わせ先など

研究代表者:(独)農業生物資源研究所 理事長 廣近 洋彦
研究推進責任者:(独)農業生物資源研究所 動物科学研究領域領域長 粟田 崇
(独)農業生物資源研究所 動物科学研究領域
 動物発生分化研究ユニットユニット長 徳永 智之
研究担当者:(独)農業生物資源研究所 動物科学研究領域
 動物発生分化研究ユニット上級研究員 金子 浩之
 電話:029-838-7447  E-mail:kaneko@affrc.go.jp
 動物発生分化研究ユニット上級研究員 菊地 和弘
 E-mail:kiku@affrc.go.jp
 麻布大学 獣医学部教授 柏崎 直巳
広報担当者:(独)農業生物資源研究所広報室長 井濃内 順
 電話:029-838-8469
本資料は文部科学記者会、科学記者会、筑波研究学園都市記者会、農政クラブ、農林記者会、農業技術クラブに配付しています。

【掲載新聞】  8月13日日本農業新聞、化学工業日報
9月2日朝日新聞
【ホームページ】 8月16日マイナビニュース
8月19日時事ドットコム
8月21日農業協同組合新聞
9月2日朝日新聞

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