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溝淵 律子
農業生物先端ゲノム研究センター イネゲノム育種研究ユニット
主任研究員
病気に強い作物の開発を目指して、イネの重要病害であるもみ枯細菌病等のイネの抵抗性遺伝子を見つけてその機能を明らかにするとともに品種改良につなげる研究をしています。
子供のころから枇杷が大好きで、「種なし枇杷」があったらいいのにとずっと思っていたのですが、高校生の時にテレビで「種なし枇杷」の研究が進んでいるというニュースを見て、品種改良という仕事の存在を知り進路を決めました。社会人として最初に勤務した研究所では、イネの品種改良に直接携わることができ、やりがいもあったのですが、研究をするうちに農業に役立つようなイネの遺伝子を今まで日本の育種にあまり利用されてこなかった品種から自分で見つけて品種改良に役立てたいと思うようになり、運よく生物研に転勤してイネの遺伝子の解析をするようになりました。
暑い圃場での作業や実験室での地味な調査は大変ですが、自分の立てた仮説が実証できた時の喜びは大きいです。
もみ枯細菌病は今までイネ側の研究があまり行われてこなかった病気ですが、実は日本のみならず世界で発病が増えて困っている病気なので、世界のイネの品種改良につながるような研究を目指したいです。
生物研では仕事と家庭のバランスをうまくとっている先輩研究員が男女を問わずいるので、見習うようにしていますが、実際には試行錯誤中です。研究を進めるには、夏の圃場での調査が大変重要なので、夏季は仕事を優先して家族(特に子供たち)には我慢してもらい、それ以外の季節で埋め合わせをしています。
今までに自分が勤めたいくつかの職場を比較すると、生物研は、研究成果がフラットに評価される厳しさがある一方、研究における個人の裁量の部分が大きいので、時間的には仕事と家庭の両立が比較的しやすい職場だと思います。また、研究者として尊敬できる複数の女性研究員が在籍しているのが、生物研のアクティビティの高さにもつながっていると思います。
[2013/01/30]
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