遺伝子組換え研究センター

昆虫機能研究開発ユニット


昆虫の特殊な機能を担う遺伝子やタンパク質の分子機構の解明

 昆虫類は4億年という長い進化の過程で、様々な生息環境に適応する特異的な生体機能を獲得し、全地球的規模で繁栄することに成功しました。これら昆虫類に秘められた特殊な分子機構の解明と模倣技術の開発は、新たなバイオ産業の創出に繋がるものとして、近年注目を浴びています。
 例えば、シロアリは木材の主成分であるセルロースを効率的に分解する酵素を分泌したり、カイコやカブトムシの幼虫は、ウイルスや細菌などの感染から身を守る特殊な抗微生物タンパク質を発現することを我々は発見しました。またネムリユスリカの乾燥幼虫は、長期間宇宙空間に曝しても、水を加えるだけで蘇生することを宇宙ステーションを用いたロシアとの共同研究により見出しました。このような機能を担う生体高分子は、新しい未利用の生物資源として活用することが期待できます。
 昆虫機能研究開発ユニットでは、このような昆虫特異的機能を発現する遺伝子やタンパク質の分子機構を解明すると共に、遺伝子組換え技術を用いて有用タンパク質を大量に調製し、実生活において利活用を行うための研究に取り組んでいます。

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