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プレスリリース
平成19年4月19日
独立行政法人 農業生物資源研究所
社団法人 農林水産先端技術産業振興センター
       農林水産先端技術研究所

豚の背骨の数をコントロールする遺伝子を同定

- ロース肉の多い豚の品種改良のスピードの大幅アップが期待 -


  (独)農業生物資源研究所および(社)農林水産先端技術産業振興センター農林水産先端技術研究所の研究グループは、豚の椎骨(背骨を構成する骨)をコントロールする遺伝子を世界で初めて明らかにしました。

  豚では、胸および腰にあたる部分の背骨(胸椎、腰椎)の数に、品種により19個〜23個という大きな差異が見られ、椎骨の数が多くなるほど胴が長くなり、「ロース」にあたる部分の肉量が増すことが知られています。当研究グループは、このほどゲノム情報の詳細な比較解析により、豚の椎骨の数をコントロールする遺伝子座を同定しました。家畜において、このように有用形質の遺伝子座の同定に成功した例は極めて珍しく、今後の品種改良に資する画期的な発見といえます。

  この成果を活用して改良を進めることにより、肉質に優れる小型の品種の大型化が可能となり、おいしいロース肉の生産量の増加が期待できます。

  なお、本研究は農林水産省委託プロジェクト「有用遺伝子活用のための植物(イネ)・動物ゲノム研究(畜産ゲノム研究の加速化)」およびJRA研究助成事業「家畜ゲノム解析研究」で実施されたものであり、この成果はGenome Research誌電子版(http://www.genome.org/)で本年4月6日より公表されています。

【問い合わせ先】
研究代表者:農業生物資源研究所理事長石毛光雄
研究推進責任者:農業生物資源研究所理事佐々木卓治
動物科学研究領域長土肥宏志
研究担当者:農業生物資源研究所家畜ゲノム研究ユニット
主任研究員美川 智
電話:029-838-8627
農林水産先端技術産業振興センター
  農林水産先端技術研究所 研究第2部
研究員両角岳哉
電話:029-838-8627
広報担当者:農業生物資源研究所広報室長新野孝男
電話:029-838-8469


Genome Research
Article published online before print. Article and publication date are at http://www.genome.org/cgi/doi/10.1101/gr.6085507
Fine mapping of a swine quantitative trait locus for number of vertebrae and analysis of an orphan nuclear receptor, germ cell nuclear factor (NR6A1/GCNF)
Satoshi Mikawa, Takeya Morozumi, Shin-Ichi Shimanuki, Takeshi Hayashi, Hirohide Uenishi, Michiko Domukai, Naohiko Okumura, and Takashi Awata

【掲載新聞】4月20日(金):日経産業新聞、4月21日(土):日本農業新聞、5月2日(水):農業共済新聞、8月22日(水):産経新聞、子供の科学2009年11月号
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