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メンデルが「遺伝の法則」発見に用いた緑色マメ遺伝子を同定東京大学大学院 農学生命科学研究科と(独)農業生物資源研究所 放射線育種場の共同研究グループは、メンデルが遺伝の法則を発見するのに用いた7つの形質の1つの緑色マメの緑色を保つための遺伝子の同定に成功しました。 この遺伝子は、通常、登熟中に黄色に成熟するエンドウの種子や老化時に黄色になる葉を緑色に保つもので、葉緑素(クロロフィル)と呼ばれる植物の光合成において中心的な役割を果たす緑色色素の分解に関わるものです。この遺伝子を持つものは stay green 突然変異体と呼ばれ、本研究では、イネの stay green 突然変異原因遺伝子に相当するエンドウの遺伝子が、メンデルが遺伝の法則を発見するのに用いた遺伝子であることを突き止めました。また、この遺伝子が緑色の元になるクロロフィルの分解酵素の制御に関わっていることを明らかにしました。 このように葉の緑色を保つ形質は、観葉植物・カバープラント・葉菜類等への応用、畳表やしめ縄などの緑色の工芸品への利用、あるいは豆類での食品機能性の向上等にも寄与することが期待されます。 この研究は農林水産省委託プロジェクト研究「アグリ・ゲノム研究の総合的な推進」の「イネ・ゲノムリソースセンターの整備」、「イネ・ゲノムの重要形質遺伝子の機能解明」等で実施されたもので、成果の概要は米国科学アカデミー紀要(PNAS)に2007年8月28日(火)に公表されました。
Yutaka Sato, Ryouhei Morita, Minoru Nishimura, Hiroyasu Yamaguchi, and Makoto Kusaba
Mendel's green cotyledon gene encodes a positive regulator of the chlorophyll-degrading pathway PNAS 104: 14169-14174; published online before print as 10.1073/pnas.0705521104 参考資料[PDFファイル:331Kバイト]
【掲載新聞】10月5日(金):日刊工業新聞 [ 農業生物資源研究所トップページ ] [ プレスリリースリスト ] |