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ミヤコグサで効率的な遺伝子機能の解析法を開発- ダイズなどマメ科植物で農業上有用な遺伝子の特定の加速化に期待 -ポイント
概要農業生物資源研究所は、かずさDNA研究所、農研機構作物研究所、デンマーク・オーフス大学と協力して、マメ科のモデル植物であるミヤコグサで、効率的に遺伝子を破壊し、その遺伝子の機能を解析する技術を開発しました。 植物を含む真核生物のゲノムDNAには、何の為に存在しているのか分からない配列が多数含まれています。その一つであるレトロトランスポゾンは、そのコピー(分身)を作り、ゲノムの別の場所に割り込むことができます。これを転移と呼びます。転移先が遺伝子の場合、その遺伝子が分断されて機能が損なわれてしまうため、レトロトランスポゾンは、通常は転移しないように眠らされた状態にあります。今回、私たちはミヤコグサがもつレトロトランスポゾンLORE1を、その眠りから人為的に目覚めさせ、転移させることに成功しました。さらに、その転移のパターンを解析し、主に花粉で転移することを突き止めました。 今回の成果により、ミヤコグサではLORE1を転移させることにより、効率的な遺伝子破壊とその機能の解析が可能となりました。今後、この方法を活用することでミヤコグサから窒素固定等の農業上有用な遺伝子の特定が加速化され、その情報を利用して、同じマメ科の作物であり日本の農業にとって最も重要な作物の一つであるダイズからの有用遺伝子の特定、ひいてはそれを活用した品種改良の加速化が期待されます。 この成果は、2010年3月5日に PLoS Genetics で公開されます。
参考資料 [PDF:248キロバイト]
Eigo Fukai, Yosuke Umehara, Shusei Sato, Makoto Endo, Hiroshi Kouchi, Makoto Hayashi, Jens Stougaard, Hirohiko Hirochika
Derepression of the Plant Chromovirus LORE1 Induces Germline Transposition in Regenerated Plant PLoS Genetics | March 2010 | Volume 6 | Issue 3 | e1000868. doi:10.1371/journal.pgen.1000868 問い合わせ先など
【掲載新聞】 3月11日木曜日:化学工業日報、3月19日金曜日:科学新聞、4月7日水曜日:日経産業新聞 トップページ > プレスリリースリスト > ミヤコグサで効率的な遺伝子機能の解析法を開発 | |||||||||||||||||||||||||||||