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研究成果の紹介
平成22年6月23日
独立行政法人 農業生物資源研究所

種の混じり合いを防ぐ仕組みの進化モデルを解明、
1月14日九州大学で発表


野生イネ「オリザ・グルメパチュラ(Oryza glumaepatula)」と栽培イネ(O. sativa)を交配した雑種第1代(F1)は花粉を作ることができません。この現象は雑種不和合の一種である「F1花粉不稔」と呼ばれてます。しかしこの仕組みがどのように自然選択によって除去されずに進化するかは長年の問題でした。この仕組みの研究は「種の起源」を解明する上での重要なテーマです。

本研究は、F1花粉不稔に遺伝子重複が関与しており、この遺伝子重複が自然淘汰によって除去されない仕組みにとなっていることを初めて実証しました。本研究は、九州大学大学院農学研究院の山形悦透(やまがた よしゆき)特任助教と吉村 淳(よしむら あつし)教授らの研究グループが、名古屋大学、農業生物資源研究所と行った共同研究です。

この内容は、2010年1月4日(月)米国科学アカデミー紀要(PNAS)のオンライン版に掲載され、同年同月14日(木)九州大学において発表されたことをお知らせします。


九州大学プレスリリース[PDF:357キロバイト] : http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2010/2010-01-14.pdf

Yoshiyuki Yamagata, Eiji Yamamoto, Kohichiro Aya, Khin Thanda Win, Kazuyuki Doi, Sobrizal, Tomoko Ito, Hiroyuki Kanamori, Jianzhong Wu, Takashi Matsumoto, Makoto Matsuoka, Motoyuki Ashikari, and Atsushi Yoshimura
Mitochondrial gene in the nuclear genome induces reproductive barrier in rice
Published online before print January 4, 2010, doi:10.1073/pnas.0908283107
PNAS January 26, 2010 vol.107 no.4 1494-1499

【お問い合せ先】 九州大学大学院 農学研究院 教授 吉村 淳(よしむら あつし)
電話番号:092−642-2820、2800、ファクス:092-642−2822
電子メール:ayoshi@agr.kyushu-u.ac.jp


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