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研究成果の紹介
平成23年12月26日
独立行政法人 農業生物資源研究所

「低カドミウム米の作出に成功」、
米国科学アカデミー紀要に掲載、12月13日に東京大学で発表


発表内容 (東京大学のプレスリリースより引用)

東京大学農学生命科学研究科は、農業生物資源研究所及び農業環境技術研究所と共同で、カドミウムの少ないコメを生産できるイネの品種の開発へ向けて、イネがカドミウムを種子(コメ)へ輸送する仕組みを分子レベルで理解するための研究を進めてきました。今回の発表はその成果の一端を発表するものです。OsLCT1という陽イオンのトランスポーター(注)が種子へのカドミウム輸送に重要な役割を果たしていることを明らかにし、遺伝子の発現を抑制することで、玄米に含まれるカドミウムを約半分に低下させることに成功しました。

本研究は農林水産省新農業展開ゲノムプロジェクトの支援を受けて行われました。

注:トランスポーター:膜に存在するタンパク質で、物質の膜の内外への輸送を担う。トランスポーターによって輸送する物質(基質)が異なる。今回発見されたOsLCT1は、カドミウムやカルシウムなどの陽イオンを輸送する活性をもつ。

東京大学発表のプレスリリース


Shimpei Uraguchi, Takehiro Kamiya, Takuya Sakamoto, Koji Kasai, Yutaka Sato, Yoshiaki Nagamura, Akiko Yoshida, Junko Kyozuka, Satoru Ishikawa, and Toru Fujiwara (2011)
Low-affinity cation transporter (OsLCT1) regulates cadmium transport into rice grains Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 108(52):20959-20964
doi:10.1073/pnas.1116531109

【掲載新聞】 12月13日火曜日:日経産業新聞、日本農業新聞、化学工業日報、12月23日金曜日:日刊工業新聞、平成24年1月1月日曜日:科学新聞
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