トップページ > プレスリリースリスト > トビイロウンカの遺伝地図の作製に成功

<お願い>
(独)農業生物資源研究所の省略形としては
「生物研」を使用願います。
生物研
プレスリリース
平成25年2月28日
独立行政法人 農業生物資源研究所
国立大学法人 九州大学
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構
九州沖縄農業研究センター

トビイロウンカの遺伝地図の作製に成功

- イネ害虫で世界初、イネへの被害拡大をもたらす原因遺伝子の特定が加速化 -

ポイント
  • イネの主要な害虫であるトビイロウンカの遺伝地図を作製しました。
  • 今回の成果により、農業害虫であるウンカ類の殺虫剤抵抗性に関わる遺伝子や、ウンカ類抵抗性を持つイネ品種の抵抗性を打ち破る働きを持つ遺伝子の特定が加速化されると期待されます。
  • それによって、害虫への効果が持続する殺虫剤の開発や、害虫抵抗性を持つ品種の作出が期待されます。

概要

  1. 独立行政法人農業生物資源研究所(生物研)は、九州大学、(独)農業・食品産業技術総合研究機構と共同で、イネの主要な害虫である「トビイロウンカ」の遺伝子の目印となる518個のDNAマーカー1)を開発し、これらDNAマーカーの染色体上の位置を明らかにすることで、遺伝地図 2)を作製しました。
  2. 害虫の様々な形質に関わる遺伝子を探し出すには、遺伝地図が不可欠です。今回、トビイロウンカについては遺伝地図を作製したことで、DNAマーカーの染色体 3)上の位置を手がかりに遺伝子を見つけだすことが可能になりました。これにより、トビイロウンカの殺虫剤抵抗性に関わる遺伝子やウンカ類抵抗性品種への加害に関わる遺伝子の特定が加速化し、その結果、害虫への効果が持続する殺虫剤や、抵抗性作物品種の開発につながると期待されます。
  3. この成果は、英文専門誌DNAリサーチ誌2月号に発表されました。
予算区分 : 運営費交付金、日本学術振興会「イネ耐虫性遺伝子のクローニングと加害性に関わるトビイロウンカゲノム領域の特定」(平成22年−24年)」
プレスリリース全文 [PDFファイル:524KB]
【発表論文】

Jairin J, Kobayashi T, Yamagata Y, Sanada-Morimura S, Mori K, Tashiro K, Kuhara S, Kuwazaki S, Urio M, Suetsugu Y, Yamamoto K, Matsumura M, Yasui H (2013)
A Simple Sequence Repeat- and Single-Nucleotide Polymorphism-Based genetic linkage map of the Brown Planthopper, Nilaparvata lugens.
DNA Research 20, 17-30. DOI: 10.1093/dnares/dss030

問い合わせ先など

研究代表者:(独)農業生物資源研究所 理事長石毛 光雄
研究推進責任者:九州大学農学部 准教授安井 秀
研究担当者:(独)農業生物資源研究所 昆虫科学研究領域
 加害・耐虫機構研究ユニット 主任研究員小林 徹也
 電話:029-838-6085 E-mail:ttkoba@affrc.go.jp
日本学術振興会外国人特別研究員(タイ・九州大学)JAIRIN Jirapong
(独)農業生物資源研究所 農業生物先端ゲノム研究センター
 昆虫ゲノム研究ユニット ユニット長山本 公子
(独)農業生物資源研究所 昆虫科学研究領域
 加害・耐虫機構研究ユニット ユニット長朝岡 潔
広報担当者:(独)農業生物資源研究所 広報室長 井濃内 順
 電話:029-838-8469
本資料は筑波研究学園都市記者会、農政クラブ、農林記者会、農業技術クラブに配付しています。

【掲載新聞】 3月1日金曜日:化学工業日報、日本農業新聞

↑PAGE TOP