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オオゴキブリの細胞内共生細菌のゲノム解析に成功農業生物資源研究所(生物研)の渡辺裕文上級研究員は、琉球大学熱帯生物圏研究センターの徳田岳准教授を中心とする研究グループの一員として、木だけを食べるオオゴキブリの細胞内に共生する細菌のゲノム解析に成功しました。木からは得られないアミノ酸などの栄養源を、この細菌が合成し、オオゴキブリに供給していることが分かりました。 同じく木だけを食べるシロアリやキゴキブリは、細菌でなく腸内で共生する微生物が栄養源を供給しています。集団で生活するシロアリやキゴキブリは、子が親のフンなどを食べることで微生物の受け渡しができます。一方、オオゴキブリは単独で生活するため、細菌から栄養を取らざるを得ないと考えられます。 本研究は、社会性の発達によって、昆虫の細胞内共生細菌が持つ重要な遺伝子の欠落につながり、その結果として「細胞内共生系」から「腸内共生系」へと進化したことを示した点で意義深いものです。 本研究成果は英国王立協会の発行する雑誌Biology Lettersの 6月号に掲載されました。
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