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(独)農業生物資源研究所の省略形としては
「生物研」を使用願います。
生物研
プレスリリース
平成25年8月9日
独立行政法人 農業生物資源研究所
国立医薬品食品衛生研究所
関東化学株式会社

角膜構造を再現した培養モデルでの新たな安全性試験法を開発

- 動物実験をせず、安全性を判別できる代替実験法として期待 -

ポイント
  • 新素材「コラーゲンビトリゲル®」を使って、ヒトの角膜上皮細胞の培養モデルを構築しました。
  • この培養モデルを用いて、眼に対する化学物質の高感度な安全性試験法を開発しました。
  • 本試験法は、動物を用いず安全性を判断でき、かつ刺激性のより少ない、安全な化粧品などの開発を可能とする実験法として活用されることが期待されます。

概要

  1. 独立行政法人農業生物資源研究所(生物研)は、国立医薬品食品衛生研究所、関東化学(株)と共同で、動物を使用しない、眼に対する化学物質の安全性試験法の開発に成功しました。
  2. 研究グループではこれまでに、牛由来のコラーゲンを用いて「コラーゲンビトリゲル®1)」という新素材を開発しています。本研究では、本素材を「足場」に使ってヒトの角膜上皮細胞を培養し、およそ6層に重なるまで増殖させて「ヒト角膜上皮」の構造を再現した培養モデル2)を作製しました。さらに、この培養モデルを用いて眼に対する安全性を評価するための、新しい「眼刺激性試験法3)」を開発しました。「ビトリゲル®」は農業生物資源研究所の登録商標です。
  3. この試験法では、化学物質を投与した際の電気抵抗値の変化を指標として、化学物質の刺激性の強さを測定します。ウサギの眼の角膜の白濁、腫れや細胞死を指標としていた従来法と比べ、迅速、高感度で再現性の高い試験結果が得られました。
  4. この試験法は、動物を用いず安全性を判断でき、かつ刺激性のより少ない、安全な化粧品などの開発を可能とする実験法として活用されることが期待されます。
  5. この成果は、7月20日に英国科学誌Toxicological Sciencesのオンライン版に掲載されました。
予算 :農林水産省アグリ・ヘルス実用化研究促進プロジェクト「牛等の動物由来の原料を用いた医療用新素材の開発」
特許 :特願2010-188887、特願2010-254255
プレスリリース全文 [PDF:619KB]
【発表論文】

Hiroyuki Yamaguchi, Hajime Kojima, Toshiaki Takezawa, Vitrigel-Eye Irritancy Test Method Using HCE-T Cells. Toxicological Sciences DOI: 10.1093/toxsci/kft159

問い合わせ先など

研究代表者:(独)農業生物資源研究所 理事長 廣近 洋彦
研究推進責任者:(独)農業生物資源研究所 動物科学研究領域領域長 粟田 崇
研究担当者:(独)農業生物資源研究所 動物科学研究領域
 動物生体防御研究ユニット上級研究員 竹澤 俊明
 電話:029-838-6294 E-mail:takezawa@affrc.go.jp
広報担当者:(独)農業生物資源研究所広報室長 井濃内 順
 電話:029-838-8469
本資料は厚生労働記者会、厚生日比谷クラブ、文部科学記者会、科学記者会、筑波研究学園都市記者会、農政クラブ、農林記者会、農業技術クラブに配付しています。

【掲載新聞】  8月11日(日曜日)読売新聞
8月12日(月曜日)化学工業日報
8月13日(火曜日)日本経済新聞、日経産業新聞
8月19日(月曜日)朝日新聞、薬事日報
8月29日(木曜日)化学工業日報
8月30日(金曜日)産経新聞
【ホームページ】  8月12日(月曜日)日本経済新聞
8月13日(火曜日)The Japan News
8月15日(木曜日)Cosmetics desighn-asia.com
8月19日(月曜日)薬事日報
8月30日(金曜日)産経ニュース

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