研究成果の紹介
生物研
平成25年9月6日
独立行政法人 農業生物資源研究所

光で匂いを感じる昆虫をつくりだす!‘フェロモン’を高感度で認識する脳のなぞを解明

農業生物資源研究所(生物研)の遺伝子組換えカイコ研究開発ユニットは、東京大学先端科学技術研究センターの神崎亮平教授を中心とする研究グループと共同で、光によってあたかも性フェロモン刺激を与えたかのように行動する遺伝子組換えカイコを作出しました。

この遺伝子組換えカイコのオスの成虫に光刺激を与えて解析した結果、性フェロモンの刺激が微弱なときは、時間的に異なる刺激を脳内で統合することで性フェロモンへの感度を向上させ、メスを探すフェロモン源探索行動を起こすことを発見し、なぜカイコのオスが性フェロモンに高感度で反応できるのかを明らかにしました。

本研究で確立した手法を用いることで、これまで明らかにすることができなかったフェロモンや匂い情報処理の新たな知見が得られ、嗅覚情報処理に関する脳研究が加速すると期待されます。

東京大学大学研究成果発表
【発表論文】

Masashi Tabuchi, Takeshi Sakurai, Hidefumi Mitsuno, Shigehiro Namiki, Ryo Minegishi, Takahiro Shiotsuki, Keiro Uchino, Hideki Sezutsu, Toshiki Tamura, Stephan Shuichi Haupt, Kei Nakatani, and Ryohei Kanzaki
Pheromone responsiveness threshold depends on temporal integration by antennal lobe projection neurons (2013)

DOI:10.1073/pnas.1313707110


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