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平成26年4月15日 |
独立行政法人 農業生物資源研究所 |
ロシア科学アカデミー生物医学問題研究所 |
カザン大学 (ロシア) |
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ネムリユスリカを使った宇宙での微小重力影響実験
- 微小重力下で乾燥幼虫が蘇生 -
ポイント
- 若田宇宙飛行士が「きぼう」日本実験棟でネムリユスリカ乾燥幼虫の蘇生実験を行った。
- 微小重力下でも幼虫は吸水後に活発に動き出し、2週間後には蛹と羽化した成虫が観察された。
- ネムリユスリカの宇宙生物学実験の生物材料としての有用性が再認識できた。
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概要
- 2月19日に国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟において若田宇宙飛行士によってネムリユスリカ蘇生実験が実施されました。これは独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)とロシア連邦宇宙局との水棲生物共同研究合意に基づき、JAXAとロシア科学アカデミー生物医学問題研究所(IBMP)の共同研究(研究プロジェクト名:Space Midge)として計画されたものです。本実験は、IBMPに独立行政法人農業生物資源研究所(生物研)が生物材料を供給し研究協力を行うことで実現しました。IBMPの研究協力機関は、生物研とカザン大学(ロシア)です。
- ネムリユスリカ1)はアフリカの半乾燥地帯に生息する昆虫で、幼虫は完全な乾燥状態に耐えることができます。今回、宇宙環境でも乾燥に耐えるか、微小重力環境で遺伝子変異を起こさないか調査しました。
- ネムリユスリカ乾燥幼虫が微小重力下においても再水和後に蘇生し、活動を開始する様子がISSからの映像で確認でき、さらに再水和後、2週間が経過した幼虫の観察も実施され、いくつかの幼虫が蛹や成虫に変態したことを確認しました。微小重力下においても乾燥状態から蘇生した昆虫の変態が可能であることが初めて確認できたことになります。今後は、ネムリユスリカ幼虫及び成虫を使った「微小重力下での営巣活動や飛翔行動」に関する実験が可能となります。
- 乾燥幼虫の蘇生観察実験に加えて、微小重力下での幼虫の蘇生に伴う遺伝子の発現変化の解析実験も同時に行いました。
予算 : | 運営交付金 |
| 文部科学省科学研究費新科学領域「生物規範工学」(平成24〜28年度) |
問い合わせ先など
研究代表者: | (独)農業生物資源研究所 | 理事長 廣近 洋彦 |
研究推進責任者: | (独)農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター | センター長 野 誠 |
研究担当者: | (独)農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター | |
| 昆虫機能研究開発ユニット | 上級研究員 奥田 隆 |
| 電話:029-838- 6157 |
| ロシア科学アカデミー生物医学問題研究所 副所長 ウラディミール シチョフ |
| カザン大学基礎医学生物学研究所 | 助教 オレグ グセフ | |
広報担当者: | (独)農業生物資源研究所 | 広報室長 谷合 幹代子 | |
| 電話:029-838-8469 | |
本資料は文部科学記者会、科学記者会、筑波研究学園都市記者会、農政クラブ、農林記者会、農業技術クラブに配付しています。 |
【掲載新聞】 | 4月16日 | : | 読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞、化学工業日報、東京新聞、茨城新聞、 常陽新聞、朝日新聞(夕刊) |
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