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生物研
プレスリリース
平成26年8月19日
独立行政法人 農業生物資源研究所

非天然型アミノ酸を組み込んだシルクの生産に成功

−新機能性シルクの開発による医療分野への貢献に期待−

ポイント
  • 簡便な化学反応に利用できる非天然型アミノ酸を組み込んだシルクを生産するカイコの作出に成功しました。
  • 生産された非天然型アミノ酸を組み込んだシルクに蛍光分子を結合することに成功し、様々な分子の結合の可能性を示しました。
  • 今後、骨形成タンパク質等の生物活性のある物質を結合させ、再生医療用シルク材料の開発が期待されます。
概要
  1. カイコが作るシルクはタンパク質からできており、繊維・粉末・フィルム・スポンジなど多様な形状で利用できます。強度が高く、生体に対して安全であることから、医療用材料としての応用研究が進んでいます。
  2. 独立行政法人農業生物資源研究所(生物研)は、通常は生物がタンパク質の合成に利用できない非天然型アミノ酸をシルクタンパク質中に組み込むことのできるカイコを作出しました。
  3. 作出したカイコを用い、アジド基1)という天然にはない結合の手をもつシルクタンパク質の生産に成功しました。
  4. この技術を利用し、生物研が開発した軟骨再生用シルクスポンジの機能を飛躍的に高めるため、従来の技術では導入困難であった骨形成タンパク質を結合させたシルクを生産するなど、医療用シルク材料の開発が期待されます。
  5. この成果は、6月2日に米科学誌Biomacromoleculesに発表されました。

予算:JPSP科研費24688008(平成24-26年度)

特許:特願2013-145866

プレスリリース全文 [PDF:395KB]
【発表論文】

Hidetoshi Teramoto, Katsura Kojima, Production of Bombyx mori Silk Fibroin Incorporated with Unnatural Amino Acids. Biomacromolecules (2014) 15, 2682-2690
(DOI: 10.1021/bm5005349

問い合わせ先など
研究代表者:(独)農業生物資源研究所 理事長廣近 洋彦
研究推進責任者:(独)農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センターセンター長高野 誠
(独)農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター
 新機能素材研究開発ユニットユニット長亀田 恒徳
研究担当者:(独)農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター
 新機能素材研究開発ユニット主任研究員寺本 英敏
 電話:029-838-6213  E-mail:teramoto@affrc.go.jp
(独)農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター
 新機能素材研究開発ユニット主任研究員小島 桂
広報担当者:(独)農業生物資源研究所広報室長谷合 幹代子
 電話:029-838-8469
本資料は筑波研究学園都市記者会、文科省記者会、科学記者会、厚労省記者会、厚生日比谷クラブ、農政クラブ、農林記者会、農業技術クラブに配付しています。

【掲載新聞】 8月20日化学工業日報
9月2日日刊工業新聞

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