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生物研
プレスリリース
平成26年9月19日
独立行政法人 農業生物資源研究所

ブタのコラーゲンから角膜再生に適した新素材を開発

−生体適合性の高い角膜再生素材として期待−

ポイント
  • ブタコラーゲンを用いて、透明性と生体適合性に優れた半球面形状の新素材を開発しました。
  • この新素材を足場としてヒトの細胞を培養することで、角膜組織を再現できました。今後、東京大学医学部附属病院では、この成果を利用して新しい角膜再生医療技術の実用化に取り組みます。
概要
  1. 独立行政法人農業生物資源研究所(生物研)は、東京大学医学部附属病院と共同で、ブタコラーゲンから透明性に優れた半球面形状「アテロコラーゲンビトリゲル膜1)」を開発しました。
  2. この新素材は、ウサギの眼への移植実験では炎症などを起こさず、透明性を維持して良好に定着しました。また、この新素材を足場としてヒトの角膜内皮細胞2)を培養することで、角膜内皮組織を構築できました。これらのことから、アテロコラーゲンビトリゲル膜は、生体適合性に優れた角膜再生材料として利用できることが明らかとなりました。
  3. 今後、東京大学医学部附属病院では、本成果を利用して、角膜移植が必要となる水疱性角膜症3)などを治療する技術の実現に取り組みます。
  4. この成果は、米国科学誌 Investigative Ophthalmology & Visual Science(電子版)で発表されました。
予算:農林水産省委託プロジェクト 医薬品作物、医療用素材等の開発 「牛等の動物由来の原料を用いた医療用新素材の開発」
特許:特願 2013-168393
プレスリリース全文 [PDF:1.3 MB]
【発表論文】

Yoshida J, Oshikata A, Yokoo S, Yamagami S, Takezawa T, Amano S (2014) Development and evaluation of porcine atelocollagen vitrigel membrane with a spherical curve and transplantable artificial corneal endothelial grafts Investigative Ophthalmology & Visual Science 55(8):4975-4981 (DOI:10.1167/iovs.14-14211)

問い合わせ先
研究代表者:(独)農業生物資源研究所 理事長 廣近 洋彦
研究推進責任者:(独)農業生物資源研究所 動物科学研究領域領域長 竹中 昭雄
研究担当者:(独)農業生物資源研究所 動物科学研究領域
 動物生体防御研究ユニット 上級研究員 竹澤 俊明
 電話:029-838-6294 E-mail: t.takezawa@affrc.go.jp
東京大学医学部附属病院 眼科・視覚矯正科特任研究員
 兼 ティッシュ・エンジニアリング部 角膜再生プロジェクト
   プロジェクトリーダー  横尾 誠一
 電話:03-5800-9891 E-mail:syokoo-tky@umin.ac.jp
東京大学医学部附属病院 角膜移植部准教授 山上 聡
 電話:03-5800-5109 E-mail : syamagami-tky@umin.ac.jp
広報担当者:(独)農業生物資源研究所広報室長 谷合 幹代子
 電話:029-838-8469
本資料は筑波研究学園都市記者会、厚生労働記者会、厚生日比谷クラブ、農政クラブ、農林記者会、農業技術クラブに配付しています。

【掲載新聞】 9月20日日本農業新聞、東奥日報
9月21日日本経済新聞、産経新聞
9月22日日刊工業新聞
9月25日化学工業日報
9月26日薬事日報
10月23日朝日新聞、毎日新聞
11月4日 日経産業新聞

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