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プレスリリース
平成13年11月19日
独立行政法人 農業生物資源研究所
NECソフト株式会社






農業生物資源研究所とNECソフトが共同研究

− タンパク質の構造に関する共同研究 −



 独立行政法人 農業生物資源研究所(茨城県つくば市、理事長:桂 直樹、以下生物研)とNECソフト株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:関 隆明、以下NECソフト)は、このたびタンパク質の立体構造の解明と構造解析技術の改良および産業利用技術化に関して共同研究を行うことに合意し、10月から共同研究計画の策定を開始しました。生物研がこの分野で、民間企業と共同研究契約を結ぶのは初めてのことです。

 共同研究の目的は、生物研が有する実験系タンパク質構造解析技術と、NECソフトが有するバイオCAE技術を効果的に融合させ、タンパク質の立体構造および機能発現機構の解明、計算化学的手法によるタンパク質の構造・機能推定技術の開発、さらには産業利用法の研究を加速させるためです。共同研究の実施期間は、平成17年3月までを予定しております。

 両者は、生物研内に研究場所を置き、本年度中に生物研から実験系研究員5名、NECソフトから実験系・バイオCAE研究員5名が参加し、合計10名で研究をスタートする予定です。産業利用可能な有用タンパク質に焦点を当て、構造・機能の推定ならびに解析プロセスへのIT技術応用を推進していきます。今後の研究内容は、以下のとおりです。

 (1)タンパク質の立体構造に関する研究
    ・有用タンパク質構造決定法の研究
    ・タンパク質構造情報解析の研究
 (2)タンパク質構造解析の産業利用技術化に関する研究
    ・タンパク質構造解析スループット向上の研究
    ・技術化・利用法の研究


 生物研は、長年に渡り蓄積されてきたタンパク質の大量発現、精製、結晶化技術、並びにX線構造解析技術を活用して、NECソフトと共同でタンパク質の立体構造の決定、機能発現機構の解明を行っていきます。また、農林水産業、食品産業に役立つタンパク工学的研究、及び医薬、農薬の開発につながる有用なタンパク質をターゲットとする構造生物学的研究を推進していきます。

 NECソフトは、本共同研究において、NECグループにて十数年に渡り培ってきたDry系タンパク質構造シミュレーション技術、並びにスーパーコンピュータなど各種ハイパフォーマンスコンピューティング(高性能計算)技術を提供し、タンパク質構造解析分野でのIT応用技術の研究と開発ならびに実用化と事業化を推進していきます。 また、今後もタンパク質構造・機能解析を同社の技術コアとし、バイオ関連分野で相乗効果を生み出す産官学連携を積極的に推進していきます。

 生物研の概要とNECソフトの会社概要につきましては、別紙(pdfファイル)をご参照ください。


研究担当代表者:農業生物資源研究所 生体高分子研究グループ 蛋白機能研究チーム 水野 洋
電話 0298-38-7014
E-mail mizuno@affrc.go.jp
本件に関する問い合わせ先:農業生物資源研究所 企画調整部 広報普及課 宮前正義
電話 0298-38-7004
E-mail a0310@affrc.go.jp
NECソフト 総務部 広報室 大沢雅勝/増尾謙一
電話 03-5569-3255
E-mail press@necsoft.co.jp














[掲載新聞]
2001/11/20電波新聞、日本工業新聞、日刊工業新聞、化学工業新聞、読売新聞
2001/11/22日本農業新聞
2001/11/26日経産業新聞
2001/11/30化学工業日報