(長野県)

岡谷蚕糸博物館

住所:長野県岡谷市本町4丁目1番39号(〒394-0028)

開館時間/休館日:9:00〜16:30/月曜日・祝祭日、12月29日〜1月3日

入場料:おとな(高校生以上) 350円、こども(小・中学生) 150円

案 内:岡谷地方の製糸業は、明治から昭和初期にかけて飛躍的に発展し、その生産高は、全国生産量の4分の1を占めるに至りました。この蚕糸博物館は、かつて、生糸の供給基地として世界に貢献し、それによって日本経済を支えてきた先人の苦労を偲ぶとともに、その足跡を将来の発展に役立てたいという考えから、昭和39年に岡谷市と諏訪製糸研究会が建設したものです。内部には、蚕種・養蚕・製糸およびこの取引に関係のある機械・機具類・記録資料類、その他標本類・研究文献などが収蔵展示されている。それらの中には、明治5年富岡製糸場で使われた最初のフランス式繰糸機(現在日本にある唯一のもの)や明治初期の諏訪式繰糸機などの貴重な機械類が含まれています。


現在日本にある唯一のフランス式繰糸機

 2階の展示室には、各種の資料が展示されていますが、その中にはツタンカーメンを題材にした綴織タペストリーが常設されています。文献(岡谷蚕糸博物館紀要、第5号、2000)によると、昭和23年にフランスのリヨンおよびパリで開催された第1回国際絹大会が開催された折りに、戦後の日本経済の復興を生糸貿易に期待していた総司令部が、戦後初の国際舞台に、日本の絹文化とその技術の素晴らしさを印象づけるために製作を指示した、とあります。

その他の情報:Tel 0266-22-5854

 駅の近くには、明治10年操業の製糸家林国蔵の旧宅を残した岡谷市指定文化財の旧林家住宅があります。この家は大隅流第14代棟梁伊藤佐久二により建てられたもので、豊富な種類の材木をふんだんに使った豪壮かつ丁寧な造作で、さらに細密な木彫が目を引きます。明治・大正期に盛んに輸出されたといわれる“まぼろしの壁装材”「金唐紙(きんからかみ)」を全面に用いた和室、独特の洋館部分などもあり一見の価値があるといえます。

旧林家玄関

内部の欄間の一例


目次に戻る