cDNAマイクロアレイは、すでにヒトゲノム研究ではゲノム創薬に利用され、重要なツールとして位置づけられています。昆虫においてもマイクロアレイは昆虫遺伝子発現をモニターする手法として利用が可能であり、新たな作用機作を持つ農薬の開発につながるものとして期待されています。独立行政法人農業生物資源研究所ではカイコのcDNAライブラリーを構築しており、そのマイクロアレイの構築を進めています。カイコは害虫ではありませんが、主要害虫を含む鱗翅目昆虫に属し、その遺伝情報は鱗翅目害虫と共通のものが多いと考えら、カイコでの解析結果の多くは鱗翅目害虫に適用できると期待されています。
この会では、ゲノム情報の利用についての話題提供およびプロジェクトの概要説明を行います。また意見交換では、どのような研究展開が求められるか、カイコ以外の昆虫のcDNAライブラリー作製の必要性、等についてご意見をお聞かせください。
日時:平成13年12月5日(水) 13:00−17:00
場所:独立行政法人農業生物資源研究所 本部地区 大会議室(第2本館3階)
内容:
1.挨拶 13:00−13:10 2.ゲノム情報を利用した創薬 13:10−13:50 大塚製薬株式会社Theranostics research Center 長 白土敬之 3.イネゲノム研究におけるマイクロアレイの利用 13:50−14:30 農業生物資源研究所 分子遺伝研究グループ 遺伝子発現研究チーム 岸本直己 4.環境に配慮した選択的昆虫制御物質への期待 14:30−15:00 農林水産省植物防疫課課長補佐 東 義裕 −休憩− 15:00−15:10 5.昆虫ゲノム研究の概要 15:10−15:20 農業生物資源研究所 生体機能研究グループ長 新保 博 6.ゲノム情報の昆虫制御剤への利用の可能性について 15:20−15:30 農業生物資源研究所 適応遺伝研究グループ 昆虫共生媒介機構研究チーム長 野田博明 7.カイコのゲノム情報の利用について 15:30−16:00 −ESTライブラリー、マイクロアレイ等の利用− 農業生物資源研究所 ゲノム研究グループ 上席研究官 三田和英 8.昆虫制御物質開発のためのゲノム情報利用研究についての意見交換 16:00−17:00参加申し込み: